潰瘍性大腸炎およびColitic Cancer発症におけるREG蛋白の役割の解明
Project/Area Number |
15659169
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Gastroenterology
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
千葉 勉 京都大学, 医学研究科, 教授 (30188487)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | Reg遺伝子 / REG蛋白 / 潰瘍性大腸炎 / 炎症性サイトカイン / Colitic cancer / アポトーシス / reg遺伝子 / H.pylori / 胃炎 / 胃癌 / colitic cancer |
Research Abstract |
1.潰瘍性大腸炎の持続炎症からcolitic cancerの発癌に至る過程におけるREG蛋白の役割を明らかにするために、前回のreg遺伝子発現の検討をLoVo細胞を用いてさらにすすめた。その結果regIα遺伝子プロモーターのプロモーターアッセイでは、やはりIFN-γとIL-6のみが増強作用を有しており、特にIL4,IL5,IL13などのTh2系サイトカインにはreg遺伝子発現増強作用はまったく認められなかった。 2.さらにREG蛋白は前回の検討で、細胞増殖作用ならびに抗アポトーシス作用を有することが判明したが、今回の検討でreg蛋白はAktのリン酸化を介して、BclXL,Bcl2蛋白の発現を増強させることが明らかとなった。さらにこれらの作用はREG蛋白発現細胞株で認められること、またその作用が抗REG抗体で消失することから、REG蛋白はautocrine機序で、これらの作用を発揮していると考えられた。 3.一方REG蛋白の発現は、ヒトでは潰瘍性大腸炎のみならず、クローン病、Proctitisにおいても、強く認められた。なおその際特に潰瘍性大腸炎では、reg遺伝子の発現は、炎症の程度、さらに病悩期間と強い相関を認めた。したがってreg遺伝子、REG蛋白の発現は、胃におけるのと同様、様々な炎症において広く発現していることが明らかとなった。 4.以上のように、REG蛋白は潰瘍性大腸炎においてその発現が増強しており、colitic cancerの発症に重要な役割を果たしていると考えられるが、この現象は潰瘍性大腸炎に特徴的なTh2反応を介しているのではなく、主としてIFN-γやIL-6など、より一般的な炎症性サイトカインの発現によってもたらされることが明らかとなった。
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Report
(2 results)
Research Products
(17 results)