血管内皮細胞におけるTNFα関連アポトーシス誘導因子TRALの機能の解明
Project/Area Number |
15659179
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Circulatory organs internal medicine
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
倉林 正彦 群馬大学, 医学系研究科, 教授 (00215047)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新井 昌史 群馬大学, 医学部, 講師 (60270857)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2004: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Keywords | TRAIL / 血管内皮細胞 / サイトカイン / ATF2 / プロスタサイクリン / NOS / CREB / PI3キナーゼ / アポトーシス / TNFα / 動脈硬化 / Akt / PI-3キナーゼ / スタチン |
Research Abstract |
われわれは前年度までに、TRAIL(TNFα-Related Apoptosis-Inducing Ligand)が血管内皮細胞や気管支上皮、腎尿細管に発現すること、TRAILはBAECの培養上清中に分泌されること、TRAILを血管内皮細胞に添加すると、PI-3キナーゼが活性化し、Aktがリン酸化されること、およびTRAILは、炎症性サイトカインIL-1βによる内皮細胞活性化を抑制する効果があることを明らかにした。われわれは、さらに、IL-1βによる血管内皮細胞の活性化の分子機構を解析した。IL-1b添加によって血管内皮細胞における遺伝子発現は多様に変化するが、転写因子ATF2のリン酸化が誘導されることを見いだした。リン酸化ATF2は種々の炎症性サイトカイン遺伝子のプロモーターに結合し、転写を促進する。そこで、ATF2のリン酸化を抑制する生理活性物質を検討した。その結果、内皮細胞が産生するプロスタサイクリン(PGI2)やeNOS由来のNitric oxide(NO)が、IL-1βによるATF2のリン酸化を強力に抑制することが判明した。PGI2 analogue製剤であるベラプロストナトリウム(BPS)はPGI2と同様にATF2のリン酸化を抑制した。また、BPSは培養血管内皮細胞およびマウス大動脈において、NO産生を増加させた。その機序として、BPSが細胞内cAMP濃度を増加させ、cAMP dependent protein kinase A(PKA)を介したCREBのリン酸化を引き起こし、eNOSプロモーターの活性を増加させることが明らかとなった。プロスタサイクリンアナログのベラプロスト(BPS)は血管内皮細胞におけるeNOS発現を増加させ、このメカニズムとして、cAMP-Response Element(CRE)を介する転写レベルの調節が重要であった。CREにはCREBが結合することが知られており、BPSはCREBのリン酸化を惹起することによって転写活性を増強させることが明らかになった。以上より、血管内皮細胞がもつ動脈硬化抑制機能は、TRAILによるPI3キナーゼ経路の他、PGI2によるPKA/CREB経路が重要であることが明らかとなった。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)