低酸素腫瘍環境で増殖する嫌気性菌を用いた固形腫瘍に対する治療法の開発
Project/Area Number |
15659193
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Respiratory organ internal medicine
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西條 康夫 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10270828)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳江 豊 東北大学, 病院・助手 (80292275)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 固形腫瘍 / 嫌気性菌 / プラスミッド / 遺伝子治療 / 制限増殖型アデノウイルス |
Research Abstract |
本研究では、固形腫瘍における低酸素状態に着目し、嫌気性菌が固形腫瘍に対する遺伝子治療ベクターとして臨床応用可能か検討することにあった。しかし、H15年度では、バクロイデス菌が腫瘍内で増殖することを見出したが、腫瘍のサイズは不変で、不適当であることが判明した。そこで、H16年度では市既に報告のあるクロストリジウム菌を用いて以下の実験を行った。 1.クロストリジウム菌を用いた固形腫瘍に対する治療開発 そこで、既に報告されている、クロストリジウム菌を入手し、マウスの静脈内に投与した。その結果、毒性が強く、マウスが死に至ることが判明した。別系統のクロストリジウムを入手し同様の実験を行ったがやはり毒性が強く、弱毒株の作成を試みたが成功しなかった。 この結果を踏まえて、菌を用いるのではなく、腫瘍内で増殖可能なアデノウイルスを用いることとして以下の実験を行った。 2.肺癌特異的に増殖するアデノウイルスの作成と細胞障害活性 非小細胞肺癌に特異的に発現するSLPIのプロモーターを、E1B55kを欠損したp53遺伝子機能がない癌細胞でのみ制限増殖可能なアデノウイルスに組み込んで、AdSLPIE1Aを作成した。このウイルスはSLPIを発現する非小細胞肺癌でのみ増殖可能であり、細胞障害活性を持つことが明らかとなった。 3.AdSLPIE1Aのヌードマウス皮下移植非小細胞肺癌に対する抗腫瘍効果と腫瘍内増殖 ヌードマウス皮下移植非小細胞肺癌腫瘍組織に直接AdSLPIE1Aを注入したところ著明な腫瘍縮小効果を認めた。また、腫瘍組織内で実際にAdSLPIE1Aが増殖していることを証明した。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)