ニコチン性受容体作動薬は筋萎縮性側索硬化症に対する新たな治療薬となりうるか?
Project/Area Number |
15659209
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neurology
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
下濱 俊 京都大学, 医学研究科, 助教授 (60235687)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川又 純 京都大学, 医学研究科(科学技術振興)(常勤形態), 研究員 (60360814)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / ニコチン / ニコチン性受容体 / SOD1トランスジェニックマウス / 運動ニューロン / アセチルコリンエステラーゼインヒビター / 神経保護 / 治療 / α7受容体 / 細胞死 |
Research Abstract |
ラット脊髄初代培養系を用いてニコチンの運動ニューロン保護効果を解析し、ALSに対する薪たな治療法の可能性について検討した。培養脊髄ニューロンを低濃度(10μM)のグルタミン酸とグルタミン酸トランスポーター阻害薬に24時間曝露すると、選択的運動ニューロン死が認められた。このとき培地中にニコチンを加えておくと、濃度依存性に、この運動ニューロン死が抑制された。この保護効果はα4およびα7ニコチン性アセチルコリン受容体拮抗薬によって抑制された。また、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤であるガランタミンもグルタミン酸毒性をニコチン性受容体を介して抑制した。脊髄切片の免疫組織化学的検討により、脊髄運動ニューロンには両受容体が分布していることが明らかとなった。 この培養系での結果を踏まえて家族性ALS関連変異SOD1遺伝子を導入したトランスジェニックモデルマウスにニコチン及びガランタミンを投与し、トランスジェニックモデルマウスのALS症状の発症、進行の抑制、寿命の延長が認められるか否かの検討を開始した。現時点では、ポジティブデータとネガティブデータが存在し、家族性ALS関連変異SOD1遺伝子を導入したトランスジェニックモデルマウスでのニコチン性受容体刺激による神経保護作用の結論を下すにはさらに検討が必要である。しかし、in vivoにおいてもニコチンの神経細胞保護効果の報告があり、ALS患者の脊髄で早期よりコリン作動性シナプスが減少しているとの報告もあり、今後、ニコチン性アセチルコリン受容体を解した保護効果を利用したALSに対する新しい治療法につながることが期待される。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)