発現プロテオミクスに基づいた肝癌再発予測システムの開発
Project/Area Number |
15659315
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Digestive surgery
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
岡 正朗 山口大学, 医学部, 教授 (70144946)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯塚 徳男 山口大学, 医学部, 寄附講座教員 (80332807)
中村 和行 山口大学, 医学部, 教授 (90107748)
|
Project Period (FY) |
2003 – 2004
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
|
Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
|
Keywords | 肝細胞癌 / プロテオミクス / heat shock protein / 特異的蛋白 / 再発予測 |
Research Abstract |
【背景と目的】HCV関連肝細胞癌(HCV-HCC)に対して二次元電気泳動(2DE)と質量分析(MALDI-TOF/MS)を用いたプロテオーム解析を行い、発癌や進行に関与する蛋白の検討および臨床的に血清学的診断マーカーとなり得る血中抗体の検討を行った。【対象】当院にて初回治療として外科的肝切除術を施行したHCV-HCC26例を対象とした。内訳は男性16人、女性10人。組織型は高分化型6例、中分化型15例、低分化型5例。血中抗体の検討にはこのうちの10例の血清を使用した。【方法】すべての標本から癌組織と非癌組織をペアで採取し、それぞれから蛋白を抽出。抽出された蛋白を2DEにて分離し、その発現パターンを癌組織と非癌組織の間で比較した後、両者で発現差のある蛋白スポットをMALDI-TOF/MSにて同定した。また、癌組織中の蛋白と患者血清を反応させ、血中に発現する自己抗体の存在を調べた。 【結果】癌組織では非癌組織と比較して、増加している蛋白が11種類、減少している蛋白が8種類確認された。増加している蛋白のうち4種類はHSP70familyに属する蛋白であり、これら4つの蛋白は相関して同時に増加していた。また、同じく癌組織で増加する蛋白の中にglutamine synthetase (GS)とalpha enolase (ENOA)が認められた。GSは高分化型HCCで増加する傾向があった。一方ENOAは低分化型HCCにおいて増加しており、その発現レベルは腫瘍の大きさや脈管浸潤の有無と関連性が認められた。また、患者血清にはHSP70、peroxiredoxin、superoxide dismutaseに対する抗体が健常人血清と比較して有意に発現していた。【結語】今回同定された蛋白はHCV-HCCの発癌過程において重要な役割を担うと思われ、血中抗体は将来的に診断マーカーとして臨床応用できる可能性があると思われた。
|
Report
(2 results)
Research Products
(12 results)