弾性ネットを用いた調節可能な低侵襲静的心筋形成術の開発
Project/Area Number |
15659327
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Thoracic surgery
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
川口 章 東海大学, 医学部, 助教授 (30195052)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸田 晶夫 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (60224929)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 動的心筋形成術 / 静的心筋形成術 / 弾性ネット / 心移植 / 左室部分切除術 / 心拡大 / 壁張力 / 心不全 / ストレス・ストレイン関係 / 非弾性メッシュ |
Research Abstract |
1)生体適合性のあるネットの作成 ネットの素材をポリウレタンとした。これは、a)生体親和性に富み、b)繊維そのものにも弾性があるからであり、またそのネットの当て方を繊維の方向に対してc)斜めにすることで繊維そのものとは異なった弾性を出すことができることに着目した。すなわち、低い張力では力の方向と繊維走行の方向が異なるため、非常に柔軟な伸縮性に富むストレス-ストレイン(SS)関係を示す。張力が次第に高くなり、張力の方向と繊維の走行方向が近づいてくると繊維そのものの比較的伸縮性に乏しい急峻なSS関係となる。この結果ネットとして二相性の弾性を示すこととなる。これは心室壁の心筋繊維の走行にも当てはまり、心室壁も短軸方向の張力に対して同様に二相性のSS関係をもつ。以上より、この人工ネットによる静的心筋形成術は骨格筋を用いた動的心筋形成術に近似すると考え、実験的に検討した。 2)小動物での検討 このようにしてポリウレタンからなる弾性ネットを試作し、調節可能な静的心筋形成術の効果を小動物(ラット)で実験した結果、心筋梗塞急性期(40分)にも慢性期(4週-6週)にも拘束性障害を顕著に招来せずに心室の拡大を抑制する効果を実証した。 3)生体適合性のあるネットの作成と特許出願 以上の結果を踏まえて、東洋紡績株式会社と共同で、ポリウレタン製の心不全治療用ネットの特許を出願した(2004年5月21日)。さらに、大動物に鏡視下で装着できるネットの作成を行っており、近々前臨床試験としての研究に着手する予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)