Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
前年度までの研究で,感温硬化性ゼラチンであるポリN-イソプロピルアクリルアミドグラフト化ゼラチン(以下,ゼラチン)を細胞外マトリックスとして用いることによりラット胎仔心筋細胞を培養して60μmの厚さのある三次元的な心筋組織が得られることが分かった。本年度は,更に臨床応用の可能性を探るために,ラット胎仔心筋細胞の代わりに骨髄間葉系幹細胞を用いて三次元的な組織構築が可能であるかを検討した. 成ヤギ腸骨より骨髄を採取し,間葉系幹細胞を含む付着系の細胞を単離したうえで,ラット胎仔心筋の場合と同様に,5x10^7 cells/mLの濃度で,50 mg/mLのゼラチンと混合し,ヒアルロン酸を3 mg/mL加えて培養を試みた.通常の細胞および蛍光標識した細胞を培養して観察したが,細胞が生存している際に見られる,紡錐形の細胞は見られず,培養できなかったと判断した.培養に適切な濃度が胎仔心筋と異なる可能性があるため,細胞の濃度を1x10^7 cells/mLから10x10^7 cells/mLまで変化させて,更にゼラチンの濃度を50 mg/mLから200 mg/mLまで変化させたが,成長する細胞を認めなかった.培地の厚さも培養に影響するといわれているため,ゼラチンの厚さを200μmから600μmの間で変化させたが,紡錐形の細胞を認めなかった. 付着系の細胞を培養する際には,他の細胞と接し,かつ増殖する余地のある適切な濃度が重要であるといわれており,胎仔心筋より増殖しやすい間葉系幹細胞を培養するためには,今回の検討の範囲よりも更に細胞濃度を低くする必要があったのではないかと考える.また,今回の実験では,ゼラチンの厚さが200μmまでを検討したが,培地の厚さが厚いと培養に不利に働くといわれているため,今後はより薄いゼラチンで検討すべきであると思われた.また,骨髄間葉系細胞に培養皿上である程度心筋への分化誘導をかけてからゼラチンと混合することも重要ではないかと考えられた.
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