脳毛細血管構築制御に関わるエストロゲン受容体サブタイプの遺伝子改変動物による解明
Project/Area Number |
15659388
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Obstetrics and gynecology
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
服部 裕一 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (50156361)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐久間 一郎 北海道大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (40260393)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
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Keywords | エストロゲン受容体 / 遺伝子改変マウス / 脳毛細血管 / VEGF / KDR / eNOS / Akt / caspase-3 |
Research Abstract |
閉経後女性へのホルモン補充療法(HRT)は、虚血性心疾患に対する保護作用については確信的な証拠が提供されているが、脳卒中のような脳血管疾患の発症を予防しその程度を軽減するかについては相矛盾した報告がなされている。HRTによる脳保護作用のメカニズムの一つとして考えられている脳血流保持のための証拠として、我々は、血管内皮増殖因子(VEGF)が、その血管増殖および抗アポトーシス作用により、脳毛細血管網の構築を促進させることを見出した。このエストロゲンによるVEGFを介した脳毛細血管構築作用が、現在知られている二つのエストロゲン受容体サブタイプ(ERα、ERβ)のどちかを介しているかを特定するために、ERαあるいはERβを選択的にノックアウトした遺伝子改変マウスを用いて検討した。対照群に比較し、大脳微小血管のVEGFおよびその血管増殖作用を介する受容体KDRの発現は、ERαノックアウトマウスとERβノックアウトマウスで、同程度に有意な減少を示していた。さらに、eNOSおよびeNOS活性に重要なAktの大脳微小血管での発現も、VEGFの減少とパラレルに低下していた。一方、caspase-3活性は変化なかったことから、アポトーシスpathwayに関してはERノックアウトにより影響は少ないと考えられた。血中エストロゲン濃度は、ERノックアウトにより変わらなかった。以上の結果から、脳毛細血管構築メカニズムには、ERαおよびERβの両者のレセプターサブタイプが関与してVEGFシグナリングを調節しているものと推測される。
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Report
(1 results)
Research Products
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