ドラッグデリバリーシステムを応用した新しい癌性腹膜炎治療を目指して 縫合貼付かつ薬物徐放が可能な新規CDDP含浸gelatin hydrogel製剤の開発
Project/Area Number |
15659395
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Obstetrics and gynecology
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤井 信吾 京都大学, 医学研究科, 教授 (30135579)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田畑 泰彦 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (50211371)
小阪 謙三 京都大学, 医学研究科, 助手 (90359828)
刈谷 方俊 京都大学, 医学研究科, 講師 (90243013)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2003: ¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
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Keywords | 卵巣癌 / 腹膜播種 / Drug deliver system / CDDP / gelatin hydrogel / マウス腫瘍モデル / 徐放性 / 腫瘍ターゲティング能 |
Research Abstract |
進行卵巣癌の長期予後が、手術療法並びに化学療法の進歩にもかかわらず改善されていない大きな要因に腹膜播種がある。そこで、近年発達してきたDrug delivery system(DDS)の腹膜播種治療へ応用を試みた。術中に縫合貼付かっ長期間の徐放が可能な白金製剤シスプラチン(CDDP)の水溶液を徐放担体として任意の生体分解期間を有するgelatin hydrogel sheet(GS)に含浸させCDDP製剤(CDDP-GS)を作成した。Meth-AR1 fibrosarcoma cellを皮下接種したCDF1マウス腫瘍モデルの腫瘍表面にこの製剤を縫合貼付し、抗腫瘍効果を検討した。まず腫瘍内の薬物濃度を経時的に測定すると、水溶液腫瘍内投与群(対照群)では3日以後測定不可能であったが、CDDP-GS貼付群では21日間測定可能であり、徐放性が確認された。また腫瘍内濃度もCDDP-GS群が水溶液腫瘍内局注群に比較して高値であり、高い腫瘍ターゲティング能が確認された。抗腫瘍効果は腫瘍体積変化とKaplan-Meier法による生存曲線で評価し、CDDP-GS群は同量の水溶液局注群よりいずれも有意に良好であった(P<0.01)。副作用は経時的血液検査と体重変化により評価したが、問題となる所見は認めなかった。 本DDS製剤の使用により、腫瘍へのターゲティングと長期間作用という点でこれまでの投与法より高い有効性が期待でき、個々の開腹所見に応じたオーダーメイド的治療が可能となる。従って、初回治療として開腹手術が施行される多くの卵巣癌患者にとって、患者めQOLおよび予後の改善をもたらすことが期待され、大きな意義をもつと思われる。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)