Budget Amount *help |
¥14,170,000 (Direct Cost: ¥10,900,000、Indirect Cost: ¥3,270,000)
Fiscal Year 2004: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2003: ¥9,620,000 (Direct Cost: ¥7,400,000、Indirect Cost: ¥2,220,000)
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Research Abstract |
本研究では,超高真空対応の高性能超低速イオン銃を開発し,超低速イオンと固体表面との相互作用に関する知見を得、さらに「原子レベルでのシャロードープ層の深さ分析技術の確立」を目指している.本年度は,昨年度に試作した超低速イオン銃を用いてGaAs/AlAs超格子試料のオージェ電子分光法(AES)深さ分析を行い,低速Ar^+イオンと固体表面との相互作用に関する知見を得ることを目指した.また,超低速イオン誘起ダメージ層の透過型電子顕微鏡(TEM)観察や,AES分析の定量性向上,絶縁物からのイオン誘起二次電子放出に関する研究なども行った.得られた成果は以下の通りである. 1.超低速イオンを用いたGaAs/AlAs超格子のAES深さ分析により,100〜500eVのAr^+イオン照射においても深さ分解能がイオンのエネルギーの1/2乗に比例して向上することを明らかにした.100eVにおいては超低速領域特有の選択スパッタリング現象と深さ分解能の劣化が見られることも明らかにした.さらに,アトミックミキシングの低減だけでなく選択スパッタリングの抑制という観点からも,イオンのすれすれ入射が深さ分解能の向上に対して有効であることも明らかにした. 2.超低速イオン誘起ダメージ層のTEM観察によるダメージ層厚さや表面荒れの評価も行った. 3.AES検出限界以下の濃度を持つBN層をSiへドープした試料に対してAES測定系を用いた仕事関数測定によるBN層の検出を試み,仕事関数測定によりドーパントを高感度で検出できることを明らかにした. 4.イオン照射によって絶縁物試料から放出される二次電子について,これまで報告が無い帯電によって誘起される電界放出現象を見出した. 5.AES分析の定量性の向上に必要な,新しい電子源の開発,イオン化断面積の評価並びに表面励起によるAESピーク強度の変化に関する知見を得た.
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