Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Research Abstract |
本研究では,音像と映像支配の関係を定量的に把握することを目的とし,映像と音源の関連性が相互に強い刺激を対象に,中心視領域のみでなく周辺視領域を含めた広領域での視聴覚相互作用について調査を行った.ここでは,映像とそれに対応する音を様々な時間差をつけて提示した際の優先知覚に関する実験を実施した.そして,中心領域と周辺領域での,映像と音の優位性についての比較を行った. 実験において,映像刺激にはパトカーのCGムービーを用いた.映像刺激は,3台のコンピュータから出力し,プロジェクタを用いて3.6m(W)×0.85m(H)の大画面スクリーン上に投影した.各プロジェクタが投影する映像領域は,1.2m(W)×0.85m(H)である.スクリーンの中央には注視点として信号機を提示し,被験者には,事前に了解をとった上で,実験中は青信号を注視するように指示を与えた.映像刺激であるパトカーの大きさは0.20m(W)×0.08m(H)である.音声刺激には,映像刺激との関連性が強いサイレン音(約60dB)を用い,スクリーン後方に設置したスピーカから提示した.被験者は,スクリーンの中心から3m離れた位置にある椅子に座り,頭をヘッドレストを用いて固定した.映像刺激と音声刺激の提示開始の時間差は0,±20,±40,±80,±160,±320msの11パターンとした.実験刺激は,スクリーン上の水平方向9ヶ所のいずれか1ヶ所にランダムに提示する.被験者には,各試行終了後に,映像刺激と音声刺激の提示開始の時間差について,「映像の方が早い」か「音の方が早い」の2つの選択肢から回答してもらった. 実験の結果,i)提示時間差が±160ms以上では正確に提示順序を認識できる,ii)視聴覚刺激間の提示時間差への感度は,周辺領域よりも中心領域の方が高い,iii)全体的に音声刺激よりも映像刺激を優先しやすく,特に中心領域においてその優先度は高い,ことが明らかとなった.
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