言語の起源と進化を解明するための構成論的システムの開発に関する研究
Project/Area Number |
15700183
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Sensitivity informatics/Soft computing
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
橋本 敬 北陸先端科学技術大学院大学, 知識科学研究科, 助教授 (90313709)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 言語の起源と進化 / 言語進化ダブルループ / 構成論的アプローチ / 内部ダイナミクス / ミクロマクロ・ループ / ルールダイナミクス / クレオール / プロトタイプカテゴリー的語彙構造 / 言語進化 / 動的言語観 / 言語ダイナミクス方程式 / メタ進化ゲームダイナミクス |
Research Abstract |
本研究の目的は、言語進化を理解するための構成論的モデルを構築することである。本年度は次の三点について研究を進めた。 ・人間言語の語彙は単語と指示対象が対になった単なる表ではなく、プロトタイプカテゴリー的な豊かで複雑な構造を持つ。このような語彙構造が発達するために言語話者に必要な能力を、構成論的手法による仮説検証として研究した。この研究では、まず言語の起源と進化が、生物進化、学習、文化進化という異なる変化プロセスが相互作用するダブルループを形成するダイナミクスであることを想定した上で、学習と文化進化の相互作用によるルールダイナミクスの部分をモデル化している。その際に、言語話者に埋め込む学習能力をコントロールし、プロトタイプカテゴリー的語彙構造が生じる条件を調べた。その結果、コミュニケーションに用いられる単語の間の関係性を計算する能力、話題のトピックを用いられた語と関連づける能力が必要である可能性が示唆された。 ・認知エージェントとしての人間が作る社会において、言語や規範のような社会制度が生成・維持・変化するために必要なものを調べるために動的社会シミュレーションを構成した。その結果、エージェントの内部状態が自律的に変化する内部ダイナミクス、エージェント達の行動が作るミクロレベルと社会状態というマクロレベルの間に形成される循環的相互規定関係、有限資源の配分といったエージェント間の競合的相互作用が重要であることが示された。 ・言語ダイナミクス方程式において、フィットネスがクレオール生成にどのような影響を持つかを研究した。フィットネスは、コミュニケーションの成功が次世代に生まれる子孫の数を増やすという仮定の下に導入されている。クレオール生成のような社会的な時間スケールでは、そのような仮定は不自然だと考えられる。この研究により、フィットネスはクレオール生成を抑制する効果を持つことがわかった。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)