大脳皮質視覚野の眼優位可塑性における転写因子NF-κBの役割の研究
Project/Area Number |
15700266
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neuroscience in general
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
挾間 雅章 独立行政法人理化学研究所, 神経回路発達研究チーム, 研究員 (30360621)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | NF-κB / 眼優位可塑性 / 大脳皮質一次視覚野 / 1-κB kinase2 / cre / lox P / I-κB kinase 2 |
Research Abstract |
我々は、転写因子NF-κBが大脳皮質一次視覚野における眼優位可塑性に対し重要な役割を果たしているのではないかという仮説を、遺伝学的手法を用いて検証した。 NF-κBの上流に位置し、その活性化に必須である1-κB kinase2 (IKK2)遺伝子を、cre/loxPシステムを用いて前脳興奮性ニューロン特異的に欠失したコンディショナルノックアウトマウスを作成した。具体的には、IKK2遺伝子がlox P siteで挟まれたマウスに、CaM kinase II遺伝子のプロモーター領域を用いてcreリコンビナーゼを発現させたマウス(CaMKII-cre)を掛け合わせた。これらのマウスにおける臨界期(生後3-4週齢)での眼優位可塑性を、単一ユニット細胞外記録法により解析したところ、IKK2遺伝子を保持しているコントロールのマウスと同程度の可塑性を有していた。 CaMKII-creはlox P siteで挟まれた遺伝子を臨界期までに欠失させることが知られているが、比較的安定なIKK2タンパクが残存し機能している可能性があるため、次の実験をおこなった。すなわち、暗所飼育することで臨界期を遅らせ、その間にIKK2遺伝子およびタンパクが十分に欠失するようにした。8週齢まで暗所飼育したコントロールのマウスは臨界期のマウスと同レベルの可塑性を有していた。さらに、同様の処置を行ったIKK2遺伝子欠失マウスもほぼ同レベルの可塑性を有していた。 これらの結果から、NF-κBの活性化は眼優位可塑性に必須ではないことが示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)