Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
乳酸の分解量の評価・酸素供給量の評価・乳酸の分解性生物の評価・昨年作製した燃料電池を血液の条件に合わせた液による駆動評価を行った。乳酸の酸化チタンによる分解は単独でもある程度は行われるものの微量である。そのため十分に分解を行うにはある程度の光量が必要とされる。分解に必要な光を皮膚を透過させることで供給可能か検討を行ったところ、表面の極近傍では可能であると判明した。しかしながら、実際に埋め込み可能な真皮の下では十分な光量が得られないことが判明した。昨年作製した燃料電池は負極および陽極に酸化チタンを含ませたグラファイトと白金黒を用いることで、表面積を広げることで発電量の確保を行っていた。電解液として直接血液を用いると血栓が形成されるだけではなく、表面が血液中のたんぱく質で覆われるため電池として機能しなくなる。そのため、電解液としては半透膜により血液中の特定成分のみ透過させた液を用いる必要がある。酸素濃度に関しては電解液中の溶存酸素量が低いため十分な発電は行えなかったが、血液中ではヘモグロビンと結合しているため、電解液中の酸素量に比較して十分に多量な酸素を含んでいる。電解液に人工血液などを用い酸素運搬能を高めることで酸素の供給に関する問題は解消可能であると考えられる。血液中に存在し容易に分解することで水素の供給が可能であるものとして、水素の供給源として乳酸の使用を検討した。血液中の乳酸の濃度は微量であり、完全に分解を行ったとしても、十分な発電量を確保することは困難であった。乳酸以外の物質にも水素は含まれているため、他の物質による水素供給を目指して、触媒や原料の抽出方法の検討を今後行う予定である。