脳血管障害者の運転能力に対する評価・訓練装置の開発および運転支援システムの構築
Project/Area Number |
15700373
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Rehabilitation science/Welfare engineering
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University of Health Sciences |
Principal Investigator |
井上 薫 東京都立保健科学大学, 保健科学部, 講師 (90259143)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 脳血管障害 / リハビリテーション / 運転能力 / 評価 / トレーニング / 検査 |
Research Abstract |
平成15年度は、運転能力評価・訓練装置(Simple simulator for rihabilitation ; SDS-R)の開発および一般成人を対象とした指標作りを目的とした基礎実験を実施した。本年度は、以下の2点に取り組んだ。 1.前記高齢者の基礎的運転能力に関する実験:脳血管障害者に多い前期高齢者11名に対しSDS-Rを使用した運転能力、各種基礎心身機能、実車走行の検査を実施した。SDS-Rは運転能力の要素(反応性・上肢機能)を向上するための支援システムとして有効であった。視覚刺激に対する反応性向上、ハンドル操作については高齢者群全体として成績の向上を示した。これらは、特に運動学習によって会得しやすい動作要素能力であることが示唆された。個別分析の結果、実車走行の成績が大きく向上した対象者は、過去に豊富な運転経験を有し、身体運動を趣味とする者であった。効果には精神的な要素が深く関与していることが示唆され、自己コントロールに関する検討も重要であると考えられた。 2.脳血管障害者に対する臨床試験:脳血管障害患者に対して臨床試験を実施した。脳血管障害者(左片麻痺5名、右片麻痺3名)について、SDS-Rを使用し継続的に経過を追跡調査した。その結果、認知機能の回復段階を計測することが可能であり、認知機能の改善を定量的にとらえることができた。対象者の回復、他のリハビリテーションの複合的効果を装置がとらえたものと解釈できるが、紙ベースの高次脳検査結果、ADL結果ともに高い相関を示しており、評価装置としての有効性は示されたと考える。反応性、上肢近位部のコントロール性などの動作要素に関してはSDS-Rを用いることに意義があると思われるが、この動作要素を実車走行に生かすためには一層の研究と行政、公安などの関連機関と医療とが連携し、地域において包括的に支援するシステムが必要であると考えられた。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)