素早さと正確さを必要とする運動における動作および筋活動の協調的変動に関する研究
Project/Area Number |
15700397
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical education
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
工藤 和俊 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (30302813)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 運動制御 / ヒト / 巧みさ / 運動の協調 |
Research Abstract |
今年度は、素早い動作および正確なタイミングを要する動作を遂行する際の協調性について2つの実験を行い検討した。 第1実験では、複数の情報(刺激の提示時間間隔および刺激の空間移動)によって特定されるタイミングに対する同期課題遂行時の脳活動について機能的磁器共鳴画像法を用いて検討した。その結果、刺激の提示時間間隔によって特定されたタイミングへの同期反応では基底核が、刺激の空間移動によって特定されたタイミングへの同期反応では頭頂皮質および前頭前野背外側部がそれぞれ活動した。これらの結果は、同一のタイミングを特定する情報および脳内情報処理経路が冗長であることを示しており、環境に対する選択的注意によって異なる脳部位を協調的に用いた機能的に等価な行為が可能になることを示唆している。 第2実験では、同一刺激に対して時間的に正確な動作を行う課題(一致タイミング課題)および素早い動作を行う課題(反応時間課題)遂行時の脳活動を比較した。その結果、反応時間課題を遂行する際には、刺激の空間移動を知覚する際に活動することが報告されている線条外皮質の活動が統制条件に比べて低下するという結果が明らかになった。この結果は、冗長な情報を知覚する際には選択的注意が重要な役割を果たしていることを示し、情報と処理の多様性を利用した協調的な情報処理により、たとえ障害を抱えたシステムであっても適応的な行為が可能になることを示唆している。なお、本実験の結果は、NeuroImage誌に掲載された。 昨年度の研究を含めた本研究全体の成果は、「最新スポーツ心理学」の第3部第4章「運動スキル研究におけるダイナミカルシステムアプローチ」として既に出版された。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)