不溶性食物繊維による消化管内容物の物理的性状変化が消化管の形態と機能に及ぼす影響
Project/Area Number |
15700480
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Eating habits, studies on eating habits
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Research Institution | Gifu Women's University |
Principal Investigator |
山中 なつみ 岐阜女子大学, 家政学部, 助教授 (00257528)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2003: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 不溶性食物繊維 / 消化管内容物 / 消化吸収率 / 腸内発酵 / 短鎖脂肪酸 / カサ / 粘度 / 消化管組織 / 結腸 / 粘膜 |
Research Abstract |
不溶性食物繊維がもたらす生理効果の作用機序として、消化吸収されない食物繊維の粒子が消化管内に存在することに伴い消化管内容物のカサや粘度、保水性などの物理的性状が変化し、栄養素や消化酵素の拡散速度、消化管の形態に影響を与える可能性が考えられる。 平成15年度においては、不溶性食物繊維のモデル物質としてガラスビーズを用い、ビーズ添加飼料をラットに与え、消化管内容物の物理的性状(カサ・粘度)がどのように変化するのか、ならびに消化管の形態(組織重量・構造)に与える影響を調べた。その結果、ビーズ摂取によって胃、盲腸、結腸における内容物のカサが増加する傾向が認められ、さらに結腸の組織において、粘膜の増殖細胞数の割合が高まり、粘膜重量が増加する傾向が認められた。 そこで平成16年度ではビーズ摂取に伴う消化管内容物のカサの増加が、消化管の機能(栄養素の消化吸収と腸内発酵)に与える影響を明らかにすることを目的とした。 ビーズを5%あるいは10%添加した飼料をラットに4週間制限給餌し、消化管内容物のカサを増加させ、飼育3,4週目に排泄された糞を採取した。あらかじめ非吸収性のCo-EDTAを飼料に添加し、飼料ならびに糞の一般成分とCoを定量し、Co濃度を指標とした脂質・タンパク質・糖質の消化吸収率を求めた。その結果、ビーズ10%添加飼料群ではビーズ無添加飼料群に比べ、脂質・タンパク質・糖質のいずれの消化吸収率も有意(p<0.01)に低下した。飼育終了後、解剖を行い、盲腸内容物を採取し、盲腸内容物中の短鎖脂肪酸(酢酸・プロピオン酸・酪酸など)濃度を測定した結果、いずれの群にも有意差は認められなかった。これらの結果から、ビーズ摂取に伴う消化管内容物のカサの増加は、栄養素の消化吸収を抑制するが、腸内発酵には影響を与えないことが示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)