Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2004: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2003: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Research Abstract |
本年度は,本研究の2年目であり,(1)生物学習における児童・生徒の学びのプロセスに関する調査,(2)問題解決を促進する生物教材の開発,(3)問題解決と生物教材の関連性に注目した生物教育カリキュラムの作成,の3つの観点から研究を行った。(1)の研究では,中学校理科「植物の世界」における葉のつき方を核にした単元構想とその実践を分析した結果,自作の立体モデルを利用した活動が,問題解決の予想の段階で葉のつき方と日光との関係や植物による葉のつき方の違いなどに関する疑問を導き,観察後の表現活動において葉の重なり方や規則性に関する気づきに発展させるような効果を発揮したことがわかった。(2)では,昨年度の研究で開発した3つの教材に加えて,(a)身の回りの植物の維管束の観察,(b)ヤドリギの分布調査の2つの教材化を行った。(a)では,従来行われている茎のつくりの観察を問題解決的な活動に発展させるために,身の回りの野草および水草の活用を試みた。教材化のための基礎研究では,37科80種の陸上植物と4科5種の水生植物の茎のつくりを調査して,維管束の配列などの形の観察によって認識可能な特徴を明らかにし,異なる種類の茎のつくりを比較観察することで茎の働きについて考察し,植物の環境への適応や進化を考えるような単元構想,授業計画,教材づくりを行った。この研究については,平成16年度日本理科教育学会四国支部大会および日本生物教育学会第78回全国大会で発表した。(b)では,地域の自然環境を生かした問題解決の事例として,河川敷の公園に生育しているヤドリギに注目し,松山市の石手川公園の分布調査を行った。(3)では,「花のつくり」「光合成」に注目した生物教育カリキュラムの構想について研究を行い,その成果を日本理科教育学会第54回全国大会と平成16年度日本理科教育学会四国支部大会で発表した。
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