組織マイクロアレイFISH法による放射線誘発甲状腺がんの国際分子疾学的解析
Project/Area Number |
15710040
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Risk sciences of radiation/Chemicals
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
高村 昇 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (30295068)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 甲状腺がん / ret / FISH / チェルノブイリ / セミパラチンスク / PTC / FISH法 / 原爆被爆者 |
Research Abstract |
広島・長崎の原爆後障害疾患として、白血病などとともに甲状腺がんのリスクが増加し、さらに1986年のチェルノブイリ原子力発電所の事故以降、小児甲状腺がんが激増した。しかし放射線誘発甲状腺がんの分子機構の詳細は未だ明らかにされていない。チェルノブイリの小児甲状腺がんではret遺伝子の再配列が高頻度にみられるが、組織型との関連性、あるいは予後との関連など、不明な点が多い。そこで我々は、近年用いられるようになった組織マイクロアレイFISH法を用いて甲状腺がんの遺伝子再配列について分子疫学的解析を行っている。現時点で長崎原爆被爆者、セミパラチンスク核実験場周辺地区住民のサンプルの収集を終え、それぞれについてret遺伝子の再配列についてFISH法でのスクリーニングを行っている。現在までのところ、原爆被爆者についてはret遺伝子再配列の頻度が比較的低いことが示唆されており、この点で被ばく形態によるret遺伝子の変異メカニズムの差異が見られる可能性があり、興味深いところである。さらに、最近になって、甲状腺乳頭がんにおけるbraf遺伝子の再配列が報告されたことから、放射線誘発がんにおける本遺伝子の再配列の関与を調査中である。 今後は、FISH法に加えて、近年用いられるようになってきているCGH法を利用して、さらに甲状腺がんの染色体レベルにおける地域差、民族差、そして環境因子の影響について調査を継続していく予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)