ウキクサの根圏における脂肪族および芳香族炭化水素分解作用の強化
Project/Area Number |
15710055
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Environmental technology/Environmental materials
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
森 一博 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 講師 (90294040)
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | ウキクサ / 根菌 / 微生物 / 分解 / 脂肪族炭化水素 / 根圏 / 芳香族化合物 |
Research Abstract |
本研究では,水質浄化に利用される代表的な浮遊水生植物の根圏における炭化水素分解作用を強化することを目的に,本年度は分解微生物群の導入によるウキクサ根圏における炭化水素分解能力の強化を検討した。ここではモデル汚染物質としてp-クロロフェノールを用い,活性汚泥由来の分解菌群をウキクサの根圏に導入した後,これを用いたp-クロロフェノール分解試験を行った。分解菌導入や馴化操作を行っていないウキクサ植生系では,15日間に渡る連続バッチ栽培において最終除去率は40%に留まった。一方,分解菌群を根に付着させた系では,分解試験初日から高い分解効果が示され,各バッチごとに100%の除去が達成された。この効果は試験終了まで持続することができた。分解菌群導入ウキクサ植生系によるp-クロロフェノール分解性を,各バッチの初期全菌数あたりの生分解速度定数,最大除去率,平均除去速度で評価した。全ての指標について分解菌群を導入することで系内の分解除去能力が導入していない系よりも向上しており、導入による効果を十分に確認することができた。またバッチ数を繰り返すごとに根圏の微生物数が増加し、根圏への安定性が高いことも示された。また,ウキクサ根圏より分離した微生物を再度根圏に導入したところ,活性汚泥由来のフェノール分解菌や大腸菌等の人工培地内で高い増殖速度を示す典型菌株に比べて根圏における高い残存性を示すものが確認された。 以上の検討より,根に付着する微生物には根圏環境に高い残存性を示すものが存在する一方,植物の根圏に分解性の高い微生物を導入し付着させることで根圏の分解能力を向上させることができ,分解能力と残存性に長けた微生物を用いた根圏機能の強化が可能であることが明らかとなった。
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Report
(3 results)
Research Products
(3 results)