Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Research Abstract |
本研究では,地震後の降雨による山腹斜面崩壊による被害の軽減を図るための危険度評価手法を提案することを目的としている。本年度得られた成果を以下に示す。 1.昨年度に引き続いて,振動が土の強度特性にどのような影響を及ぼすのか,また,振動を与えた土と与えない土で飽和度上昇に伴う強度低下に違いが見られるのかを実験的に調べた。具体的には,地震動に伴い発生したせん断ひずみにより,土の骨格構造が破壊するか否かを調べるため,不撹乱マサ土を模した石膏混じりマサ土供試体を対象に,繰返し三軸試験機を用いて実験を行った.石膏により粒子間に構造を持った供試体のせん断強度は,繰返し荷重を与えることで17%低下した.また,繰返し荷重を与えない条件で浸水(飽和)させることにより,せん断強度は34%低下した.一方,繰返し荷重載荷後,浸水(飽和)させるとせん断強度は44%低下するという結果が得られた.以上のことから,地震動のようなせん断ひずみであっても,せん断強度低下を引き起こし,その後の降雨により,さらにせん断強度が低下することが分かった. 2.土の骨格構造が「ボンド」という粒子間に働く粘着力によって発生すると考え,接触粒子間に発生させたボンドが振動によってどのように変化してくるのかを2次元個別要素法(DEM)による一面せん断試験によって追跡した.その結果,繰返しせん断を与えた結果,定圧条件では繰返しせん断中に体積圧縮が起こること,定体積条件では繰返しせん断中にボンドが切断されるとピーク強度に低下が見られることを判明した. 3.降雨を起因とする斜面崩壊発生位置の予知・予測手法に,地震動による土のせん断強度特性に及ぼす影響を考慮に入れることにより,地震後の降雨による斜面崩壊発生危険度評価手法の提案を行った.本手法を崩壊が発生した場所と発生しなかった場所に適用することにより,本手法の妥当性の検証を行った.
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