分裂酵母全遺伝子ライブラリーを用いた核-細胞質間輸送メカニズムの解明
Project/Area Number |
15710152
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Applied genomics
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
八代田 陽子 独立行政法人理化学研究所, 吉田化学遺伝学研究室, 研究員 (60360658)
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥4,800,000 (Direct Cost: ¥4,800,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
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Keywords | 分裂酵母 / 核-細胞質間輸送 |
Research Abstract |
分裂酵母の13個のインポーチンβスーパーファミリータンパク質のうち、Pse1(別名Sal3)の関与する核-細胞質間輸送についての解析を行った。このタンパク質をコードする遺伝子破壊株は温度、熱ショック、カルシウムイオン、紫外線照射、酸化剤などの環境ストレスに対し、顕著な感受性を示し、また胞子形成不全の表現型を示した。次に、定常状態でPse1により輸送されるタンパク質の網羅的同定を行った。出芽酵母および動物細胞のPse1ホモログはタンパク質の核移行に関与すること知られているため、分裂酵母Pse1も核外移行より核移行に主に関わるであろうと想定し、分裂酵母のYFP融合型遺伝子ライブラリーのうち、まず、核および核小体に局在するタンパク質をコードする遺伝子約1,500個について、それらがpse1遺伝子破壊株中で発現するような株を作製し、野生型株での局在との違いを観察したところ、野生型株では核小体に局在したRNA結合タンパク質がpse1遺伝子破壊株では核小体に存在できず、また野生型株において核局在を示す減数分裂時の遺伝子組み換えに必要なタンパク質がpse1遺伝子破壊株では細胞質に局在することがわかった。さらに、野生型株では細胞質局在を示すリボソームタンパク質について同様の局在観察を行ったところ、pse1遺伝子破壊株ではその多くが核局在を示した。これはリボソームタンパク質の核外輸送に関わるタンパク質の核移行にPse1が関与していることを示唆する。熱ショック応答転写因子Hsf1とカルシウムイオン応答転写因子Prz1のそれぞれのストレス存在下でのpse1遺伝子破壊株での局在変化を観察したが、野生型株と同等であったので、pse1遺伝子破壊株の示す熱ショック及びカルシウムイオン感受性はHsf1やPrz1を介さない経路から起因するものであると示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)