多環式芳香族炭化水素の発がん機構におけるカルボカチオン中間体の特性
Project/Area Number |
15710160
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Living organism molecular science
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岡崎 隆男 京都大学, 工学研究科, 助手 (90301241)
|
Project Period (FY) |
2003 – 2005
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
|
Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
|
Keywords | カルボカチオン / NMR / 超強酸 / 多環式芳香族炭化水素 / 発がん性 / 変異原性 / 理論計算 / 直接観測 |
Research Abstract |
人類は、現代生活を営む上で多量の天然資源を消費し、また、多量の廃棄物を生み出している。石油や石炭、自動車の排気ガスやタバコの排煙に含まれる多環式芳香族化合物は、がんの原因物質とされている。その発がん機構では、体内においてカルボカチオン中間体を経由して、DNAと結合することが知られている。そのため、がん治療の効率的な対策を立てるために、中間体であるカルボカチオンの性質を調べる必要がある。そこで、多環式芳香族化合物から生じる短寿命カルボカチオンの電子構造や安定性について物理有機化学的手法を用いて調べた。 本年度は、環を4つもつジャヌセン化合物やトロピオジャヌセン化合物、フッ素置換誘導体、非交互炭化水素化合物に関するカルボカチオンについて、電子構造や芳香属性と発がん性との相関関係を核磁気共鳴測定装置および理論化学計算法を用いて調べた。これらの化合物では、π-π相互作用が空間を通して作用することが提案されている。しかし、本研究の結果、芳香属性についてはほとんどその相互作用の影響がないことがわかった。また、フッ素置換誘導体の芳香属性を検討する場合は、σ環電流が大きいためにπ環電流のみを比較する必要があることがわかった。この結果は、がんの発生を抑制する薬の開発だけではなく、多環式芳香族化合物を用いた電導性材料の開発等、カルボカチオン中間体が関与する機能性材料の開発への応用が期待される。
|
Report
(3 results)
Research Products
(19 results)
-
[Journal Article] Rigid Molecular Tripod with an Adamantane Framework and Thiol Legs. Synthesis and Observation of an Ordered Monolayer on Au(111).2006
Author(s)
Kitagawa, Toshikazu, Idomoto, Yuichi, Matsubara, Hiroaki, Hobara, Daisuke, Kakiuchi, Takashi, Okazaki, Takao, Komatsu, Koichi
-
Journal Title
J.Org.Chem. 71
Pages: 1362-1369
Related Report
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Journal Article] Triflic acid-catalyzed adamantylation of aromatics in [BMIM] [OTf] ionic liquid, synthetic scope and mechanistic insight.2005
Author(s)
Laali, Kenneth K., Sarca, Viorel D., Okazaki, Takao, Brock, Aaron, Der, Paul.
-
Journal Title
Organic & Biomolecular Chemistry 3・6
Pages: 1034-1042
Related Report
-
-
-