中国における「孝」思想の成立と展開―新出土資料から見た―
Project/Area Number |
15720009
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Chinese philosophy
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐野 大介 阪大, 文学研究科, 助手 (30346150)
|
Project Period (FY) |
2003 – 2004
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
|
Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2004: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2003: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
|
Keywords | 孝 / 孝経 / 家族道徳 / 愛敬 / 父子関係 |
Research Abstract |
本研究は、中国における「孝」思想がいかにして成立したのか、また、どのように展開していったのか、を解明することを目的としている。 成立に関しては、近年楚地方より新資料群が大量に発見されており、特にその中の「古佚書」(亡佚して現在まで伝わっていなかった文献)に関する研究を通じて、「孝」思想の成立に迫ることが可能であるが、これら資料群は、先秦楚地において使用されていた特殊な文字によって記されており、読解字体に大きな問題を有する。ために基礎作業として、公刊された竹簡の写真などからの文字の認定及び解読作業を進めた。また、新資料群に関する研究動向を把握するため、関係文献の読解とリスト化を進め、その成果の一部は「新出土資料関係文献提要」として発表した。また、先秦の「孝」思想との比較の基礎作業として墨家の「孝」思想について考察し、「墨家の孝説について-儒家による批判を中心に-」として発表した。 その上で、新資料群にみられる「孝」思想と伝世儒家系文献にみられるそれとの比較を行なうため、伝世文献の「孝」関連文献の研究を行なった。その際、最も代表的な「孝」関連文献である『孝経』の、各時代の代表的な注釈にみられる「孝」思想についての考察を進める一環として、北宋代の代表的『孝経』注釈である『古文孝経指解』について考察した。この結果は「司馬光における『古文孝経指解』の位置」として発表した。また、「孝」思想を構成する重要概念である「愛」・「敬」についての『孝経』注釈史上における解釈の展開・変遷についての考察を行ない、「経解上に現れたる「孝」における「愛」と「敬」との関係」として発表した。
|
Report
(1 results)
Research Products
(3 results)