Project/Area Number |
15720018
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Aesthetics/Art history
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
渡邊 晃一 福島大学, 人間発達文化学類, 助教授 (50272092)
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2004: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 現代美術 / 制作学 / 生命形態 / 型取り / 版 / 身体 / 大野一雄 / パフォーマンス / 製作学 / 美術解剖学 / 映像メディア / インスタレーション / 場 / スケッチブック |
Research Abstract |
近年、西欧諸国では『制作学研究』が話題となり、美術制作者を射程にした博士課程が新設されている。作品創建の場を主眼に置いた「新たな学問体系」は、「作られつつある芸術の学」を通してArtsの概念を明らかにし、「創造性、霊感、芸術的系統、開かれた作品、反芸術」等を主題に、舞台学、映画学などの芸術諸学をも包含したものであり,国際的に注目されている。しかし日本ではこれまで『制作学』の研究は、制作の技術、手法、道具、材料などを主題にしたものが多く、いまだ上記の広がりのなかで確立していないのが現況であろう。 本研究では、『制作学』を基盤に、美術制作と論文執筆,大学での絵画実技指導の問題等を関連させながら、美術の表現と鑑賞のもつ両義的な意味を「生命形態」をテーマに捉え直したものである。また実制作で、「肌膚」を主題にし、舞踏家の大野一雄氏をモデルにした作品群や論文研究を、国内外の美術館、学会で発表してきた。 Artの概念は「美術」だけに限定されるものではなく、宗教、言語、神話、哲学、科学技術、習俗と法、政治など、作品の観念に包摂しうる人間的活動とも深く関わっている。そのため本研究では、人間の創造的活動のなかでの「ART」の概念とその意味を、米国や連合王国などの諸外国の現況と比較しながら考察してきた。具体的には、映像メディアやインスタレーション,「型取り」や「版表現」等の「現代美術」の動向との関わりをもつ最先端の美術の概念や指導方法を提案する執筆や発表活動を行ってきた。狭義の絵画や彫刻などの現代美術のみならず土方巽や大野一雄の舞踏、パフォーマンス・アートの「身体」が、諸芸術を生み出すうえで原動力となってきたことも提示してきた。 結果、本研究は「美術」を「生命形態」にたいする認識を現代美術の表現との関わりから再考察したことに加えて、医学、自然科学、哲学等の他の研究領域と重ね合わせてモデル化した実験的な研究をも加えることができた。 さらに『制作学』を通した日本独自の文化、芸術、教育体系を位置づけ、日本において懸隔が著しい現代美術の「実技」領野と、「理論」研究の結びつきを提示するうえで、一定の成果が得られたと確信している。
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Report
(3 results)
Research Products
(15 results)