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十六世紀フランス語散文の文体論的研究

Research Project

Project/Area Number 15720067
Research Category

Grant-in-Aid for Young Scientists (B)

Allocation TypeSingle-year Grants
Research Field ヨーロッパ語系文学
Research InstitutionWaseda University

Principal Investigator

佐藤 正樹  早稲田大学, 文学学術院, 助手 (40350376)

Project Period (FY) 2003 – 2004
Project Status Completed (Fiscal Year 2004)
Budget Amount *help
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2004: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2003: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Keywords仏文学 / 文学論
Research Abstract

「十六世紀フランス語散文物語の文体論的研究」は、フランス語散文物語という当時生まれたばかりのジャンルの形成をマクロな観点から記述することを目標とした。
十六世紀前半期の俗語散文物語は大きく二つのグループに分けられる。ひとつは騎士道物語に由来するいわゆる「ロマン」の流れを汲むのもで、もうひとつはボッカチオの『デカメロン』に由来する「ヌーヴェル」の系列である。「ロマン」の特徴は、伏線が絡まりあいながらどこまでも続く延長可能性にあり、作中人物は傑出した性質を帯びているのが普通である。主題的には、まず遠い「過去」の物語であること、作中人物の移動範囲が極めて大きいこと(「遍歴」の主題)、そして目くるめく超自然的な「驚異」が物語を進ませる原動力としてちりばめられていることが挙げられる。一方の「ヌーヴェル」の特徴は、物語が現実世界の断片として描かれるという点にある。したがって、物語に超自然的要素な要素は入り込まない。また、作中人物は傑出した性質を持つものとしては描かれず、出来事が淡々と描かれる。この書き方には年代記の影響があるかもしれない。さて、十六世紀を通じてより多く出版されたのは「ロマン」の流れを汲む作品のほうである。当時の読み手は、奇想天外でいつ果てるともない「ロマン」に、物語の醍醐味を感じていたのであろう。「ヌーヴェル」は、読者層にはそれほど浸透しなかったものの、「ロマン」の道具立ての陳腐化をいち早く感じ取り、俗語表現の可能性を追求しようとする一部の書き手に影響を与えた。「ロマン」と「ヌーヴェル」は、十六世紀にはまったく違うものとして生産・受容されていた可能性が高いが、ラブレーの作品はこの二つを意図的に混淆して作られているように見える。今後の研究では、特異なラブレーの創作プログラムを、「ロマン」と「ヌーヴェル」の緊張関係という観点からより明らかにしていきたい。

Report

(2 results)
  • 2004 Annual Research Report
  • 2003 Annual Research Report

URL: 

Published: 2003-04-01   Modified: 2016-04-21  

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