Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2004: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
昨年度までの調査・研究により,文字の有効性を測るための物差しが必要であることがわかり,そのひとつの候補として,多角的語彙習得モデルを考案した。また,このモデルをもとに調査・研究をすすめた結果,小学校段階,特に高学年ではかなり文字が浸透していること,フラッシュカードに文字を添えたものと,添えていないものでは,どのような活動に利用するかによってその効果が異なることなどが明らかとなった。 これらの成果を受け,本年度は多角的語彙習得モデルに基づいたさらに広範なアンケートと,文字の有効性を検証する実験を行った。アンケートは,英語活動を年間15時間程度実施している一般の小学校の児童を対象としたもので,昨年度同様小学生に馴染みが深いと思われる語(30語)を抽出し,二種類の調査用紙で実施した。調査用紙のひとつには語彙の日本語の意味が書かれており,もう一つは語彙のスペリングが書かれている。これらが読めるか,書けるかなどを問うことによって,多角的語彙習得モデルにおける4技能(文字→意味,文字→音声,意味→音声,意味→文字)を調べることができる。結果としては,文字に関する技能は文字を含まない技能(音声→意味,意味→音声)の後に順次習得されること,文字→音声・文字→意味の技能はほぼ同時に習得される傾向があることなどが明らかとなった。また,学校外で英語を学んでいる児童は,そうでない児童と比べて文字能力が秀でていることがわかり,児童は学校外で文字を学んでいる傾向が明らかとなった。 また,多角的語彙習得モデルに基づいた実験は,小学校を出たばかりの中学1年生を対象に行い,少なくとも中学1年生の段階では,音声→意味,意味→音声の習得に文字は効果的に機能することが明らかとなった。今後は同様な実験を小学生を対象に実施し,どの学年で文字を導入するのがいいかという研究を進めていく必要があると思われる。
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