Project/Area Number |
15730016
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Public law
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
大脇 成昭 熊本大学, 法学部, 助教授 (30336200)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 予算 / 補助金 / 政策実現 / ドイツ / 地域振興 / 財政法 / インセンテブ / 誘導 / 誘導的手法 / 租税優遇措置 / 予算制度 / 財政赤字 |
Research Abstract |
本年度は申請書に示した内容である、具体的政策を財政法の手法によって実現する法技術の一般的枠組みを示すための作業を昨年に引続いて行った。 1,第一段階として、ドイツ法を中心とした基礎理論についてである。ドイツでは予想していた以上に古く1950年代から予算にかかわる現実的な研究が行われていたことが、本年度のコンスタンツ大学での資料収集・調査によって判明した。そこにある考えは、予算を政治の決定事項としてしまうのではなく、あくまで公法上の問題として実体法・手続法の両面から統制を行うとものである。予算や決算の制度が日本と異なるからこそ可能な面も多分にあるが、それでもなお日本法に示唆を与える点が少なくはないと言える。 2,第二段階として、実務上の動向に関する調査である。 (1)まずはじめに取り組んだものが、県から市町村に交付される、使途を定めない(あるいは目的が極めて概括的な)補助金である。この点については先進的な試みを行っている千葉、岩手の両県に昨年度ヒアリング調査を行った。現時点では予算費目の変更(スリム化)や予算規模の圧縮などに伴う試行のようではあるが、今後は政策を有効に誘導するための道具としての可能性を有していることは確認できた。 (2)次の実務上の着目点として、本年度は主な県の予算費目の調査を行った。とりわけ僻地と呼ばれる、人口密度の低い地域を多く抱える県は地域振興に要する費用がかさんでいることが判明した。この種の予算はいわば「投資効率」が低い一方で、当該予算を圧縮すると地域経済その他への影響が非常に大きいという特徴が見られる。単なる予算縮減だけでなく、この種の費用をどのように有効活用してゆくかが実務上も課題であり、本研究の成果が寄与できる部分である。 以上のような作業を通じて本研究の全体像を描く準備ができた。その成果を発表するための論文執筆は現在進行中であるが、近々、熊本法学(熊本大学法学会)において公表予定である。
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