「信頼」と法の機能―閉鎖会社における株主の行動を中心に―
Project/Area Number |
15730042
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Civil law
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
森田 果 東北大, 法・政研, 助教授 (40292817)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 信頼 / 閉鎖会社 / 継続的取引 / 継続的関係 / 心理学と法 / 法と経済学 |
Research Abstract |
本研究の目的は,経済的インセンティヴに必ずしもセンサティヴではない行動主体の行動原理のうち,「信頼」について,その構造を隣接諸学問の知見を取り込みつつ解明し,「信頼」と法ルールとの関係について考察することにある。本研究の今年度の研究は,かかる目的の達成のために必要な,(1)経済学・心理学・社会学の手法の習得,および,(2)従来の研究のサーベイ,(3)この分野について先進的な米国の研究の実地調査を主要な内容とした。 (1)については,法と経済学研究会での報告・討論を通じて経済学の習得を進めるとともに,これを応用した「信頼」行動の分析の可能性注について探究した。さらに,心理学・社会学の技法についても文献収集・習得につとめた。(2)については,わが国における研究はほとんど存在しないので,米国における先行研究の収集整理を行った。(3)については,2003年7月に米国(Harvard Law SchoolおよびUniversity of Wisconsin Law School)に出張を行った。Harvardにおいては法と経済学および日本法の研究で名高いRamseyer教授,Wisconsinにおいては,この分野について古くから研究を行っている法社会学者として著名なMacaulay教授と討論する機会を持つとともに,他の多数の法学者と交流を行い,この分野の研究の最先端の状況についての理解を深めた。 以上の本年度の研究成果をまとめたものが,「研究発表」欄に掲げた「『信頼』と法」という論稿でる。この論稿については,2004年3月15日の東京大学21世紀COEプロジェクトのソフトロー理論研究会において報告を行い,そこで討論も行っている。この論稿においては,米国における近時の理論的展開についてサーベイを行った上で,それに対するコメントと今後の研究の方向性を示した。特に,「信頼」の定義のあり方と法の役割との関係,および,法が「信頼」の形成促進に貢献しうるシナリオについて新たな提言を行っている。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)