倒産処理法における消費者破産手続の機能と理論的位置づけ
Project/Area Number |
15730045
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Civil law
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
北村 賢哲 千葉大学, 法経学部, 助教授 (00344961)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 破産免責 / 個人再生手続 / 消費者金融 / 強制執行の禁止 / 非免責債権 / 清算 / 個人再生 / 和議 |
Research Abstract |
平成16年の破産法全面改正は、自然人破産についても大きな改正であった。一方で、債務者更生の実効性を確保すべく、免責手続中の強制執行の禁止・中止を明記し、再度の免責許可を受ける場合の制限期間を短縮するなど免責手続の簡素化を実現した。また他方で、免責制度の公正を確保すべく、債務者に免責に関する調査への協力義務を課し、非免責債権を故意・重過失にもとづく不法行為による損害賠償請求権や扶養義務にかかる請求権に拡大して、安易な免責申立てに対する一定の制約を課している。けれども、今次改正によっても、個人再生手続との機能分担の視点はほとんど明らかにされなかった。248条6項が免責許可の申立て後に再生手続開始の申立てができないことを、同条7項が、逆に同様に、再生手続開始申立ての後に免責許可の申立てができないと定めることからは、両手続は等価値の制度で、その選択は債務者の自由意思に委ねるのが立法者意思であると読み取ることができる。 これはアメリカ合衆国破産法が清算型手続たる7章手続利用に一定の制約を課して、再建型である13章手続利用を促進しようとしていることを顧慮しつつ、アメリカ自身がそれを徹しきれない実情を踏まえた改正であると評価することができる。すなわち、手続利用を適正に割り振るための審査手続の設計についてアメリカでは議論が分かれたままで議論の収束点を予想できず、かつ審査コストが重すぎるので申立て段階で割り振ることはしないというのが、自己破産件数の急増というこの20年ほどの社会的事情を背景に、手続の簡素化を重視した立法者の決断であったと考えられる。ただし、免責制度をそもそも否定するドイツ法に比して債務者に寛大な手続を複線的に構築しておいて、さらにアメリカよりいっそう破産免責を申し立てる者に寛大であるということは、自然人破産についての日本法の突出ぶりを示している。それは申立て段階の振り分け以外の面での免責制度の公正さを確保する措置が必要であることを示唆している。例えば、アメリカ以上に破産免責手続内外での将来収入からの一部弁済を認める必要が出てくるということであろう。今次改正で新たに非免責債権とされたものは、常に明確に外延が明らかなわけでもないし、債権者の受ける保護の程度も他の債権と格段に異なるが、その差別的取扱いの正当性が確かであるともいえない。そして、新破産法は、免責手続中の強制執行の禁止は定めたが、手続外の弁済の効力についての規定を置かなかった。施行後、解釈論として直ちに浮上することが明らかな論点である。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)