デリバティブ取引における業者の民事責任と違法性判断基準
Project/Area Number |
15730053
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Civil law
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
川地 宏行 専修大学, 法学部, 教授 (90262831)
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | デリバティブ / 先物取引 / 変額保険 / 説明義務 / 適合性原則 / 金融商品販売法 / 証券取引法 / 商品取引所法 / 情報提供義務 |
Research Abstract |
本年度はデリバティブ取引における業者の不当勧誘と民事責任に関して、わが国の法状況ならびに判例法理を研究対象とし、以下の成果を得た。 (1)融資一体型変額保険における保険会社と銀行の損害賠償責任ならびに錯誤無効に関する研究。投資資金を融資で賄う金融商品は、運用益それ自体がプラスであっても借入利率を上回る運用利回りを得られなければ損失を被るというハイリスク商品であり、自己資金を用いる一般的な金融商品よりも投資家保護の必要性が高い。本研究は、融資一体型変額保険について、相続税対策金融商品としての問題点を明らかにしたうえで、説明義務違反に過度に依存することなく、適合性原則違反に基づく損害賠償責任や錯誤無効による被害者救済を図るべきであることを論証し、研究成果を公表した。 (2)ワラント、有価証券オプション、株価連動債(EB債など)、信用取引、商品先物取引などのハイリスク金融商品における不当勧誘行為と損害賠償責任についての研究。損害賠償責任を認定するための主要な違法性判断基準である説明義務違反、適合性原則違反、過当取引について従来の下級審裁判例を検討するとともに、適合性原則違反に関する最初の最高裁判決である平成17年7月14日判決の分析を行った。また、証券取引法、商品取引所法、金融商品販売法などの制定法や自主規制機関の規則における不当勧誘規制の問題点、ならびに、投資サービス法に関する金融審議会の報告についても考察し、ドイツ法との比較法的研究を試みた。その結果、適合性原則違反と過当取引を説明義務違反から独立した違法性判断基準として位置付けたうえで、不当勧誘行為を多角的に損害賠償責任と結びつける法理を確立し、その趣旨を金融商品販売法の改正や投資サービス法の制定に反映させることが必要であるとの結論に達した。本研究の成果は専修法学論集97号と98号に掲載予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(2 results)