インターネット環境下におけるデジタル著作物の流通と著作権保護政策に関する経済分析
Project/Area Number |
15730130
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Applied economics
|
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
紀國 洋 立命館大学, 経済学部, 助教授 (90312339)
|
Project Period (FY) |
2003 – 2004
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
|
Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2003: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
|
Keywords | 情報財 / 私的複製 / 複製防止 / 著作権 / 私的録音補償制度 / デジタル著作物 / 私的コピー / コピー防止 / 収益帰属可能性 / 著作権法 / 私的コピー補償制度 |
Research Abstract |
(1)情報財出版社の複製防止対策の経済分析 デジタル著作物の出版社による複製防止対策がどのような経済効果をもたらすかをBesen and Kirby(1989),Varian(2000)のモデルを拡張して分析することにより,次の結論を得た。第1に、従来の研究で示されていた「間接的収益帰属可能性モデル」と「直接的収益帰属可能性モデル」を統一し、出版社はオリジナルの価格付けを通じても、複製利用者から余剰の一部しか獲得できないとする「部分的な間接的収益帰属可能性モデル」を提案した。この場合、たとえ複製がオリジナルの生産よりも費用効率的であるとしても、収益帰属可能性が低い場合または複製の配布速度が遅い場合は、複製の存在が出版社の利潤を減じることが示される。第2に,出版社にとって,あるいは経済厚生にとって適切な複製数の存在可能性について分析した。さらに,出版社にとって望ましい数の複製数が存在するが,それは社会的には過少であることを示した。 (2)私的録音補償制度の経済分析 私的録音補償制度の経済効果をGayer and Shy(2003)を拡張して分析することにより,次の結論を得た。第1に,ソフトウェア出版社が複製防止措置の発動をオプションとして保有している場合に限って、政府介入がなくても、ソフトウェア出版社と補償金の支払者との間の交渉を通じて補償金率を設定することが可能であることを示した。第2に,ソフトウェア出版社の交渉力が強いほど、交渉により実現する補償金率が高くなることを示した。それ故、ソフトウェア出版社の交渉力が相対的に弱い時、補償金制度は出版社の損失を補填することに失敗する。複製防止措置にかかる費用が高い時もまた、補償金制度が機能しない。第3に,経済厚生を最大にする補償金率は、ソフトウェア出版社にとって補償金制度と複製防止措置とが無差別になるような補償金率であることを示した。
|
Report
(2 results)
Research Products
(3 results)