Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
本稿では大阪証券取引所(大証)およびシンガポール取引所(SGX)に上場されている日経225先物の超高頻度観測データから,市場に流入する情報量の代理変数である1分間あたりの取引回数データを作成し,そのモデル化と両取引所における連関性についての検証を行った. 両市場において日経225先物の取引回数には日中季節性が存在し,大証では取引の開始時刻直後と終了時刻直前に取引が活発化する,いわゆるU字型の日中季節性が午前の取引時間と午後の取引時間に見られることが明らかになった.これに対しSGXでは,取引開始時刻の直後や取引終了時刻の直前に取引が活発化するのではなく,大証の取引開始,取引終了時刻直前に取引回数が多くなり,大証の取引時間帯については,大証もSGXもほぼ同じ日中季節性を示すことが明らかになった.ただし,午前の取引開始時刻だけは例外で,大証での取引が行われていなくても取引が活発であることが示された. 日中季節性を除去したデータについてLog-ACDモデルを推定した結果,両取引所において,取引回数の条件付き平均は過去の条件付き平均に大きく依存することが示され,単位時間あたり取引回数のモデル化にこれらのモデルが有効であることが明らかになった. さらに,Log-ACDモデルの条件付き平均の対数式に,他取引所の1期前の取引回数,今期の取引回数を導入してそれぞれ推定を行った結果から,大証,SGX両取引所には,Engle et al.(1990)におけるメタシャワー的に情報が流入し,取引が行われていることが示唆されるものの,必ずしもすべての取引が両取引所に共通の情報によって行われているわけではないことが示された. 以上の分析から,大証とSGXは競争的な関係にある反面,互いを補完しあう関係にあることが示唆された.
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