技術革新メカニズムへの認知論的接近-青色発光デバイス開発史の分析を中心に
Project/Area Number |
15730187
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Business administration
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
藤井 大児 岡山大学, 経済学部, 助教授 (50346409)
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 青色LED / ゲームソフト / 研究開発 / MOT / 経営学 / 家庭用ゲームソフト / イノベーション / ゲーム産業 |
Research Abstract |
論文「ゲームソフト開発における戦略オプションの選択」の目的は,日本のロールプレーイングゲームの開発競争を分析することによって,産業の発展期における企業家たちの果たす機能を明らかにすることである.ギャンブル性や多様な試行錯誤などを特徴とする高不確実性の市場では,産業レベルでの戦略的多様性が求められる一方で,企業レベルでは容易に同型化への圧力に屈しやすいと指摘されることが多い.2大ロールプレーイングゲームのメーカーであるスクウェアとエニックスの詳細な事例分析によって,2つの戦略オプションのトレードオフ関係という形で,これまでしばしば与件として扱われてきた「企業家の選好・意志」を経営戦略の理論に組み込める可能性を指摘した.また産業衰退のこう着状態を抜け出すうえで,企業戦略の多様性がしばしば無批判に礼賛されるが,場合によっては発展可能性を自ら閉ざす可能性もあることを指摘した. 論文「研究開発におけるインセンティブ:青色LED裁判のケーススタディ」の目的は,技術的成果の帰属を巡る議論の交通整理を行い,制度論的な思考方法の意義を明確にすることであった。技術的成果の帰属先を「技術者個人」に求めようとすれば,その時々の技術者個人の生産性によって対価を決定する限界分析か,相対取引を行うかいずれかになる。しかしながら前者は現代の研究開発環境には適用困難であり,また相対取引は取引費用がかかりすぎる。技術者コミュニティにおける集団としての知恵という観点から,事前に個々の発明がどの程度新奇性があるのか,また使用者にとってどの程度の価値を有するのか,意見を聴取しておくことは,事後的に職務発明の対価請求を巡って使用者・従業者が対立することを防ぎ,また訴訟が発生した際に,貴重な情報源となるであろう。
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Report
(3 results)
Research Products
(8 results)