Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2004: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
平成16年度は,会計数値を用いた企業評価モデル([t時点の企業価値]=[t時点の純資産簿価]+[t時点の期待暖簾価値(将来にわたる期待超過利益の割引現在価値の総和)])を用いて算定されたt時点の理論株価([t時点の企業価値]÷[t時点の発行済み株式総数])とt時点の市場株価との乖離の要因について,日経財務データ(NEEDS CD-ROM2003年度版)と東洋経済株価データCD-ROM(2004年度版)を用いて検証を試みた。オールソンモデルやそれを発展させたモデルで算定された理論株価と実際の市場株価の乖離の原因については,(1)会計数値を用いた企業評価モデルの[t時点の期待暖簾価値]のうちのとくに「その他の情報(t時点の市場株価には織り込み済みであるが,t時点の会計数値には未だ織り込まれておらず,将来時点の会計数値に織り込まれると予測される情報)」部分を適切に算定することに不備が残されていること,(2)将来にわたる超過利益を計算する際の資本コストを適切に算定することに不備が残されていること,(3)景気の趨勢や資本市場の構造上の問題から市場の株価が誤って形成されているケースなどが理論的に指摘できるが,本年度は,このうち(1)と(2)に関して検証を試みた。(1)に関しては,企業の業務提携や財務支援などの市場株価が大きく反応する情報が発表された企業のうちその後に大きなイノベーションがなかったと思われる企業を抽出し,発表後の市場株価と理論株価の評価誤差がその他の情報が会計数値に織り込まれることによって次第に減少していくという仮説の下にデータを検証したが,その現象が統計的に検証されることはなかった(ただし,ノイズの除去が適切でなかった可能性がある)。(2)に関しては将来の資本コストと過去の資本コストの自己相関や過去の財務諸表各項目と将来の資本コストとの相関関係の検証を試みたが,統計的に有意な結果は得られなかった(ただし,資本コストの構造が近年の大きな景気変動や金融ビッグバンに連動して大きく変化していることが原因となっている可能性がある)。
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