解離の基礎過程の発達的研究-記憶機能と参照枠としての自己に焦点を当てて-
Project/Area Number |
15730314
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Clinical psychology
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
田辺 肇 静岡大学, 人文社会学研究科, 助教授 (60302361)
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2005: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2004: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2003: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 解離 / 記憶 / 自己 / 構成概念 / 尺度 / 語り(ナラティプ) / 心理学 / 発達精神病理学 / 語り(ナラティブ) / 語り(ナラティヴ) |
Research Abstract |
解離とその周縁の構成概念とその測定方法についての批判的検討については、日本心理学会の理論心理学の研究会である「心理学の哲学研究会」で2回の発表を行い、理論心理学の専門家による検討をうけた。現在その成果の発表の方法を検討している。一方、専門学会において発表し、「解離」の定義とモデル化の多様性の問題を検討し、複数の仮説的構成体からなる多因決定性(多重決定性モデル)による体験過程の構造的な変異態をとらえるなかで、解離的とされるさまざまな現象を整理・理解してゆくという視点を提出し、臨床的な有用性と科学的な健全性の観点からの批判に供した(「解離」の定義とモデル化の多様性について日本トラウマティック・ストレス学会第5回大会 2006年3月)。 また、測定方法の整備に関しては、CATS(Child Abuse and Trauma Scale ; Sanders & Giolas,1994 ; Sanders & Becker-Lauren,1995 ; 田辺,1996)日本語版の項目表現の小改訂を行い、外傷体験が、解離性(DES ; Bernstein & Putnam,1986 ; 田辺・小川,1992 ; 田辺,1994)を媒介し、攻撃性(BAQ ; Buss & Perry,1993 ; 安藤・曽我ら,1999)の発達に寄与する過程を、目本の青年(看護学生・大学生等・精神科受療中の者を含む)を対象に調査・検討した結果、外傷体験は、解離性を介して全般的攻撃性に寄与するモデルがもっとも適合的であった(青年における心的外傷体験および解離性・自閉性の攻撃性への寄与-CATS・DES・AQ・BAQを用いた尺度による検討-日本トラウマティック・ストレス学会第5回大会 2006年3月)。 そして、記憶機能の把握等についての実験的方法の最適化については、おもにDRMパラダイムについて、昨年度に引き続き当該分野を専門とする高橋雅延氏(聖心女子大学)をはじめ、それを専門とする研究者にコンサルテーションを受けながら予備実験を重ねた。通常のDRMパラダイムとは異なり、偽りの記憶(虚再生)の生じにくいリストを用いて個人差を把握する方法の有効性について一定の知見を得たので、次年度の日本心理学会で発表する予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(2 results)