視覚的注意の抑制メカニズムにおける適応的機能性の解明
Project/Area Number |
15730330
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Experimental psychology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
永井 淳一 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (10343104)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 視覚的注意 / 抑制機能 / 負のプライミング / ディストラクターの干渉 / 高次視覚 / 上位概念干渉 |
Research Abstract |
視覚的注意の機能の一つに、行動の目的から見て必要ではない情報(ディストラクター)の処理を抑制する働きがある。この抑制機能は,ディストラクターによって行動が干渉されることを防ぐメカニズムであると考えられる。本研究では,実験心理学的手法を通じてこのような抑制機能の適応的なメカニズムを明らかにすることを目的とし,前年度に引き続き,ディストラクターによる干渉と「負のプライミング」の関係の検討を行った。 まず,英文字の音韻判断課題(母音か子音かの判断課題)を用いた実験1では,ディストラクターのサイズを小さくして呈示したところ,ディストラクターによる干渉はサイズの変化に関わらず生じたのに対して,負のプライミングはディストラクターのサイズが小さい(文字として認識しにくい)条件で消失するという結果が得られた。これに対して,実験1と全く同じ刺激を使用し,英文字の形状判断課題(直線的か曲線的かの判断課題)により行った実験2では,ディストラクターのサイズの相違に関わらず,干渉と負のプライミングの両方が生ずるという結果が得られた。 以上の結果から,ディストラクターによる干渉が刺激のさまざまな属性次元において課題非依存的に生ずるのに対して,ディストラクターに対する抑制(負のプライミングに反映される)は,課題目標に関連する属性次元のみにおいて生ずる合理的・適応的な処理であることが示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)