Project/Area Number |
15730334
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Experimental psychology
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 正之 京都大学, 霊長類研究所, 助手 (80280775)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Keywords | 描画 / なぐりがき / チンパンジー / カテゴリー分類 / シンボル / アイコン / 写真 / 絵画的表象 / お絵かき / 発達 |
Research Abstract |
チンパンジーにおける絵画的表象の認識と表出の能力、およびその発達的変化を調べるため、大別して以下の2つの研究をおこなった。 1)チンパンジーによるなぐりがきの発達過程に関する研究 具象画を描き始める前の3歳以下のヒト幼児で一般的に見られる「なぐりがき」とよばれる自由描画を、チンパンジー乳幼児3個体を対象として継続的に記録・分析をおこなっている。その結果、ヒト幼児では描画行動が初出する1歳半以降、持続的に多くの反応が見られるのに対して、チンパンジー幼児では、出現の時期はほぼ同じでも、その後に反応がほとんど消失してしまうことが見出された。描画行動は食物や社会的賞賛などの強化事象が必ず随伴するものではない。むしろ、その維持に外部からの弾化事象を必要とせず、行動自体が強化力をもつことが特徴としてあげられるが、2歳から4歳までの時期のチンパンジーでは、そのような傾向が見られないことがわかった。しかし、4歳半を過ぎると、描画行動は再び盛んに見られるようになった。今後の発達過程についても継続的に調査を続けたい。これらの研究成果については、H16年度の日本発達心理学会大会において発表予定である。 2)カテゴリー学習における写真・絵・シンボルの効果 チンパンジー幼児3個体と成体4個体を対象として、「食物」と「乗り物」という2つのカテゴリーへの分類課題を訓練した。分類反応をおこなう際に、選択肢として、2つのカテゴリーを代表する写真、または絵、またはシンボルを用い、学習成績を比較した。その結果、選択肢が写真か絵のときの方が成績がよいか、または3種類の間で成績に差が見られないかのどちらかであった。大人と幼児の間で年齢による成績の差は見られなかった。カテゴリー学習における言語ラベルの効果を調べるための実験であったが、シンボル使用による促進的な効果は見られなかった。一方で、絵と写真でともに成績がよかったチンパンジーがいたことから、絵が写真と同様に認識されていることが示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(11 results)