視覚誘導性自己運動知覚における前面-背景間相互作用の心理物理学的検討
Project/Area Number |
15730342
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Experimental psychology
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Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
中村 信次 日本福祉大学, 情報社会科学部, 助教授 (30351084)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 運動知覚 / 自己身体 / 誘導運動 / 刺激奥行き構造 / 前面 / 背景 |
Research Abstract |
奥行き構造を持つ視覚刺激を呈示した際の、観察者の視覚誘導性自己運動知覚(ベクション)を心理物理学的に分析することにより、自己運動情報処理における刺激奥行き構造の関与を検討した。今年度は前年度の取り組みを展開し、低速運動する前面刺激によりその運動方向と同方向へ誘導される逆転ベクションに及ぼす視覚刺激の効果を詳細に分析した。詳細な心理物理実験を多数回繰り返すことにより、刺激提示領域の効果や注視点との奥行き的な乖離の効果など、逆転ベクションがより強く生起する刺激条件設定を同定することができた。これらの刺激条件は、観察者の前面刺激による潜在的な反射眼球運動の誘発と、その意識的な抑制による眼球運動情報に関する錯誤が、逆転ベクションの生起に関与しているとする申請者らの仮説と整合するものであった。これらの心理学実験の結果に基づき、対象運動の知覚と事故運動知覚とを同時に記述可能な、運動知覚に関する統合的な心理モデルを構築した。これまでの研究においては、別々の文脈で語られてきた対象運動と自己運動の知覚を、眼球運動を媒介項として同時に説明可能なモデルとすることができた。このモデルを応用することにより、これまでは別々の心理学的現象であると考えられてきた事象(たとえは誘導運動知覚と眼球運動中の視対象の位置の恒常性)が、ひとつの統一的な枠組みで記述可能となり、現象間の関連性の検討をする際の論理的な基礎を構築することが可能となった。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)