日本型高等教育における学生の文化習得過程とその社会的支援に関する研究
Project/Area Number |
15730374
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Sociology of education
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
大前 敦巳 上越教育大学, 学校教育学部, 助教授 (50262481)
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2004: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2003: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 学生生活条件 / 文化習得過程 / 文化資本 / 必要性への距離 / メチエ(職人仕事) / 日仏比較 / 大学の人間形成機能 / 同質性 / 多様性 / 学習性向(ハビトゥス) / ユニバーサル・アクセス / 新しい時代の教養教育 |
Research Abstract |
本年度は、高等教育進学者が学生生活を通じて文化資本を形成していく過程について、日仏比較の観点から既存資料と実地調査に基づくデータを収集し、わが国の高等教育における文化習得の特徴を分析することを試みた。フランスの国民教育省や国立学生生活観察研究所(OVE)などの機関が実施している全国学生調査の結果を参照しながら、日本で調査された調査資料を収集するとともに、地方国立大学の上越教育大学と関西の私立大学・短期大学の学生を対象に質問紙によるパネル追跡調査を実施してきた。 フランスの全国調査結果からは、社会的出自・性別・地域・専攻分野などによって多様に異なる文化習得状況がみられることを明らかにし、特にドロップアウトが問題になっている初年次において自ら参画する技能習熟を意味する「学生のメチエ(職人仕事)」を身につけることの重要性を指摘し、論文1篇を執筆した。この観点から、日本で実施された学生生活調査の再分析を企てているところである。 パネル追跡調査においては、昨年の第2回調査の結果を分析し、調査協力者の相原総一郎氏(大阪薫英女子短期大学)と共同で5月に日本高等教育学会で「大学教育の文化習得効果(2)-1・2年次生のパネル質問紙調査の結果から-」と題する発表を行った。その発表内容については、上越教育大学研究紀要に論文1篇を執筆した。また、9月には日本教育社会学会で「今日の大学生における文化資本形成-学習経験と学生生活に関する質問紙調査の結果から-」と題する発表を行い、同紀要に論文1篇を執筆した。わが国では、社会的出自に規定される傾向の強いフランスとは異なり、大学が文化資本を蓄積する条件となる「必要性への距離」を提供し、文化習得を促す学校効果を有していることを明らかにした。 11月には昨年と同じ対象である3年次生に第3回調査を実施した。学籍番号を記入してもらう記名式調査のため、プライバシーの保護に万全に配慮しながら単独でコーディングとパネルデータ入力の作業を行い、2006年3月に第3次報告書(全106頁)を作成し、関係者に配布した。
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Report
(3 results)
Research Products
(8 results)