Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
本研究は,現代的・人類的課題である「福祉・人権」の学習を,小・中・高等学校のカリキュラムにどう位置づけるか,またその際,子どもの参加はどうあるべきかについて,スウェーデンの義務教育学校(小・中学校)の分析をもとに検討したものである。 調査の対象としたのは,スウェーデン北部の拠点であるヴェステルボッテン県ウメオ市と,南西部の拠点であるヴェストラヨータランズ県イエテボリ市,及びアーレ町であり,教育文化省学校局,学校開発局の各支部,各市・町の義務教育課等でスウェーデンの教育政策と各市・町の教育への取り組みを調査するとともに,子ども参加や「福祉・人権」の学習に取り組んでいる各市・町の小・中・高等学校を視察し,教員,児童・生徒から聞き取りを行った。また,今日の教育政策に至る過程でいくつか重要な議論があると考え,関連資料や情報の収集を行った。 スウェーデンでは,地方分権により義務教育学校への責任を各地方自治体が負っている。各学校は,学習指導要領のもとで,毎年,学校の行動計画を立てて実行し,その結果を各地方自治体が監査しフォローアップを行う。さらに,学校局が各地方自治体を監査し,フォローアップを行う。特徴は,監査の基準が,学習指導要領に示された基礎的価値(全ての人々(男女,弱者,民族等)の平等など)を守ることにあること,学校が計画を達成できなかった際,教師の増員等,環境を改善するための方策が取られること,低学年の子どもからも聞き取りを行うこと等である。 つまり,子どもの参加や「福祉・人権」の学習への取り組み方は,各地方自治体や各学校により異なるものの,基礎的価値を守ることと大きく関わって位置づいており,市や町全体で取り組んでいる例もあった。一方,「福祉・人権」の学習を教科として位置づける動きもあり,今後の研究課題である。
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