小型飛行時間質量分析器を用いた短寿命中性子過剰核の精密質量測定
Project/Area Number |
15740170
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Particle/Nuclear/Cosmic ray/Astro physics
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
石田 佳久 独立行政法人理化学研究所, 山崎原子物理研究室, 協力研究員 (10332248)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
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Keywords | 短寿命核 / 精密質量測定 / 飛行時間質量分析器 / イオントラップ / 小型飛行時間質量分析器 |
Research Abstract |
この研究は、理化学研究所の加速器施設にある入射核破砕片分離装置で生成されHeガス充填RFイオンガイド(RFIG)で収集・冷却された短寿命核の質量を、多重反射飛行時間質量分析器(MR-TOF)を用いて高精度に測定することを目的とする。それに向けた準備を行ってきた。 高精度質量測定のためには、RFIGからのイオンをバンチ化し同時に室温程度まで冷却する必要がある。そこで、2段階リニア型のRFトラップを新しく考案・製作した。前段は、入射軸方向の長さが3cm程度のトラップで、コンピュータ・シミュレーションでは予想される縦方向エミッタンス10eV/μsのRFIGからのパルスビームは80%以上の高効率で捕獲可能である。後段は、同長さが5mmのトラップで、より閉じ込めをよくすることでMR-TOFへ10ns程度の時間幅のパルスビームを供給できるようになる。オフライン試験では、このトラップを導入することによりイオンが蓄積されイオンビーム強度が増加した。また、トラップ内での緩衝ガスによる冷却により、イオンの位置広がりが減少し、引き出し後のエネルギー広がりが10分の1程度まで下がった。これらにより、MR-TOFの質量分解能が4万で頭打ちになると思われていたものが、11万を超える分解能を達成した。さらに、質量スペクトルにおけるピークの裾部分やバックグラウンドも著しく減少した。 短寿命核の質量測定を行うことは未だできていないが、最重要開発課題であったMR-TOFとRFIGをマッチングさせるためのRFトラップが完成し、それまでのMR-TOFの性能が大幅に向上した。これにより、オンライン実験で高効率に精密質量測定を行うことが可能になった。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)