表面電子状態を解析するための新しい総合的光学分析法の開発-表面の線形及び非線形光学応答測定と第一原理計算による解析
Project/Area Number |
15740179
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Condensed matter physics I
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
佐野 陽之 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助手 (80250843)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
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Keywords | 表面光学応答 / 第一原理計算 / 表面電子準位 / FLAPW法 |
Research Abstract |
本研究では、固体表面の線形及び非線形光学応答観測を行い、実験結果と第一原理的方法に基づいた理論との厳密な対比により、表面電子状態を反映した線形及び非線形光学応答の起源を明らかにし、表面電子状態の分析(解析)手法を確立することを目的とする。本年度は以下の研究を行った。 1.分光測定から熱酸化Ge表面には1.15eVのギャップを持つ界面準位の存在することが示唆されているが、このような界面準位をSHG法より簡便な線形反射率測定によって検出可能かどうかを試みた。自然酸化膜試料と熱酸化膜試料の反射率の差スペクトルを測定した結果、0.5%程度測定誤差以内では有意な特徴は検出されなかった。今後は測定法の改良により測定誤差を1桁小さくし、改めて1.15eVの界面準位の検出を試みる予定である。 2.光触媒として注目されている酸化チタン(TiO_2)の表面電子状態を解析するために、TiO_2(110)表面のSH応答の理論解析を行った。その結果、表面上のブリッジング酸素と6配位のチタンからなるTi-O-Ti-Oジグザグ鎖がこの表面のSH応答に大きく寄与し、他のTi-O対のSH応答が非常に小さいことを示し、この強度差の原因が構造の対称性にあることを明らかにした。 3.磁性体金属表面の光学応答を調べるために、Ni(110)の清浄表面及び酸素吸着表面の計算を試みた。スピンを考慮しない場合の電子状態を求め、特定の表面原子からの光学応答の計算を行った結果、1〜2eVの間に小さな光吸収ピークが見られた。ただし、酸素吸着の有無に関する差は余り大きくなかった。また、スピンを考慮した計算を行ったが、電子密度の収束が見られず最終的な電子状態を得ることができなかった。今後は計算精度を高め、スピンを考慮した電子状態が得られるようにしていく予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)