Project/Area Number |
15740182
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Condensed matter physics I
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
石川 憲一 阪大, 産業科学研究所, 助手 (90288556)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 半導体表面 / 電子励起 / 構造変化 / 走査トンネル顕微鏡 |
Research Abstract |
これまでの研究により、Si(111)-(7×7)再構成表面において、半照射によって発生した電子励起状態の非線形局在により、特定のサイトに存在するSi原子の結合が選択的に切断され、その結果、光誘起構造変化が生じる事が明らかにされている。そこで本研究では、(7×7)表面と同一の原子種で構成されてはいるが、構造・電子状態の大きく異なるSi(111)-(2×1)再構成表面を対象として、(1)半導体表面における光誘起構造変化現象の一般性を確立する事、(2)表面再構成構造と発生する構造変化形態の関連を明確にする事、(3)電子励起状態の性質と構造変化の形態及び効率の関係を明らかにする事、の3点を目的とした研究を行った。(2×1)表面の構造は、Siの一次元原子鎖で特徴付けられる。また、この表面は、バンドギャップエネルギー以下に表面電子間遷移を持つ。従って、励起波長を選択する事により表面電子系と結晶内電子系を区別して励起する事が可能である。実験では、最初に表面・結晶内電子系を共に励起する波長460nmにおいて誘起される構造変化を走査トンネル顕微鏡を用いて観察した。その結果、(1)光照射初期、完全格子サイトのSi原子の結合切断が発生し、monovacancyが生成する事、(2)光照射量の増加に伴い、monovacancyを核として原子鎖方向に一次元的に連なったvacancy strings、更に原子鎖間にまたがったvacancy islandsの生成量が増加する事が明らかになった。更に、結晶内状態間のみ、表面状態間のみを励起する波長において同様な測定を行った結果、(2)で示したVacancy clustersの成長は、定量的な解析により同一の過程である事が明となった。この事は、(2×1)再構成表面における光誘起構造変化が、遷移させる電子状態に依らず、同一の機構により生じている事を示唆している。
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