高温超伝導体におけるスピンと電荷のナノスケール相分離に関する研究
Project/Area Number |
15740194
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Condensed matter physics II
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
木村 宏之 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (50312658)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 高温超伝導 / 電荷ストライプ秩序 / 放射光X線回析 / 競合・共存状態 / 放射光X線回折 |
Research Abstract |
本年度は,電荷ストライプ秩序を示すLa_<2-x>Ba_xCuO_4(LBCO)超伝導体について,2種類のBa濃度について,ほぼ同程度の形状・大きさの試料を用いて放射光X線回折実験を行った.また,この実験に用いたものと同一の試料を用いて超伝導転移温度T_cを測定した.得られた結果は以下の通りである. 1)x=0.1とx=0.125の電荷ストライプ秩序は結晶構造総転移温度T_<d2>の直下で起こる事が分かった.また,ストライプ秩序による格子変調の周期は,x=0.125の場合がBa濃度の逆数(〜4)と一致するのに対して,x=0.10の場合は,逆数よりも大きく,4倍周期に近づいている事が分かった.これは,ストライプ秩序の形成において,4倍の周期がより安定である事,つまり,結晶構造との整合性が重要である事を示している. 2)x=0.1とx≡0.125について,ストライプ秩序の観測とともに,平均構造の結晶構造解析を行った.これにより,ストライプ秩序のによる格子変調の結晶構造因子を定量的に比較でき,更に,平均構造との関係も詳細に明らかにできた. x=0.1では結晶構造相転移の秩序変数がx=0.125のそれよりも大きい,即ち,結晶学的な観点からx=0.1の方がストライプ秩序が安定化しやすいにもかかわらず,実際にはx=0.125の方が安定に存在している事が分かった.これは,ストライプ秩序の形成と,結晶構造との整合性が重要である事を示す直接的な結果である.
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)