Pr充填スクッテルダイトにおける4f電子デュアリティーと多様な相転移
Project/Area Number |
15740219
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Condensed matter physics II
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岩佐 和晃 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00275009)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 強相関電子系の物理 / Pr充填スクッテルダイト / 中性子散乱 / 重い電子状態 / 四重極秩序 / 金属-絶縁体転移 |
Research Abstract |
充填スクッテルダイトRT_4X_<12>の重い電子状態の可能性や結晶構造の新奇な動的性質を中性子散乱法により研究した。 ・PrOs_4Sb_<12>の重い電子状態での超伝導相への転移が注目されている。超伝導の発生には何らかのエネルギー励起構造をもつ電子状態であると考えて、中性子散乱実験を行ったところ、Pr 4f電子の四極子の揺らぎが伝搬する励起子が0.45-0.7meVに存在することを明らかにした。これは超伝導転移温度1.85Kに近く、また4.5T以上の磁場下で現れる反強四重極秩序相をもたらす電子状態であり、重い電子的な超伝導と密接に関連する可能性を指摘できた。 ・さらに充填スクッテルダイトでは、希土類イオンRが12個のプニクトゲンXで構成されるかご状格子で囲まれていると見なすことができる。特にXがSbの場合、かごは比較的に大きいためその中のRイオンは大振幅の振動状態をとりうることが指摘されている。PrOs_4Sb_<12>を対象にそのような特異な原子振動状態を調べる非弾性中性子散乱実験を行った。音響フォノンモードを測定したところ、室温から10K程度にかけてフォノンエネルギーが約30%も低下するモードがあることを見いだした。これは通常の物質と全く逆の振る舞いであり、充填スクッテルダイトでの新たな物性を見いだしたと言える。 ・上記の成果を、強相関電子系国際会議SCES'04(7月、ドイツ・カールスルーエ)、欧州物理学会凝縮系会議CMD20のコロキウムPCFES7(7月、チェコ・プラハ)や日本物理学会(9月、青森大学)で発表した。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)