高分解能X線非弾性散乱を用いた相転移に関する電子励起の観測
Project/Area Number |
15740228
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Condensed matter physics II
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Research Institution | Japan Synchrotron Radiation Research Institute |
Principal Investigator |
筒井 智嗣 (財)高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門I・非弾性散乱チーム, 研究員 (70360823)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 高分解能X線非弾性散乱 / 放射光 / 相転移 / 電子励起 / フォノン / 超伝導 |
Research Abstract |
高輝度のX線が得られる第3世代放射光源の出現により、他の放射光実験に比べて相対信号強度が弱いX線非弾性散乱でも、物性研究の1つのプローブとして、様々な物質に適応できるようになってきた。わが国の第3世代放射光施設であるSPring-8は高エネルギーで高輝度のX線が得られる点が世界中の他の施設と比較して優位である。本研究では、SPring-8の特徴を生かした研究として硬X線領域でmeVオーダーのエネルギー分解能を持つ高分解能非弾性散乱と高エネルギーX線でバルク敏感な磁性を測定できる磁気コンプトン散乱という2種類のX線非弾性散乱を用いた物性研究を進めてきた。高分解能非弾性散乱を用いたフォノンの分散に関しては、主として高温超伝導化合物の光学モードのソフト化が、超伝導を示す化合物においてゾーン・バウンダリで共通の現象として観測されることが明らかとなった。本研究では、meVエネルギー分解能の非弾性散乱を用いた電子励起、特に近年注目されている軌道秩序に関する励起の観測を試みたが、現状の分光器ではフォノン以外の励起としてX線非弾性散乱で期待される電子励起を直接観測することはできなかった。また、スピン・モーメントの直接観測が可能な磁気コンプトン散乱を用いて、メタ磁性転移に関する研究を行なった。遍歴強磁性体のUCoAlのメタ磁性転移には、ウランの5f電子のスピン・モーメント以外に、コバルトの3d電子のスピン・モーメントも関わっていることを明らかにした。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)