密度行列繰り込み群のソフトマターへの応用-脂質膜の実効曲げ弾性係数の解析-
Project/Area Number |
15740238
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Mathematical physics/Fundamental condensed matter physics
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
西山 由弘 岡山大学, 大学院自然科学研究科, 助手 (60294401)
|
Project Period (FY) |
2003 – 2005
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
|
Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 高分子膜 / フラット転移 / 弱い一次転移 / 潜熱 / 密度行列繰り込み群 / 転送行列 / 繰り込み / ソフトマテリアル / しわくちゃ転移 / 脂質膜 |
Research Abstract |
剪断応力のある膜、いわゆる高分子膜の熱力学を研究した。この意味で、高分子膜は、脂質膜よりも堅い膜であるといえる。この事情により、高分子膜は、フラット転移を起こす。膜のように二次元的なマニフォールドが相転移を起こすという点が興味深い。本研究では、高分子膜を離散化して、いわゆる、折り畳み問題に帰着して、計算を進めた。 折り畳み問題では、平均場的な取り扱いがなされている。我々の精密な数値計算により以下の事実を明らかにした。 1,本研究の題目である「密度行列繰り込み群」を、この問題に適用する為に、修正を加えた。また、その性能を評価した。 2,以前の平均場近似で見いだされていた3つの相転移を確認した。しかし、我々はこの相転移はすべて、一次転移であると示した。 3,その潜熱は、極めて小さい。従って、その相転移を二次であると誤認する危険性を指摘した。特に、離散化されていない膜に対しても、この危険性に留意すべきではないかと主張した。 4,この折り畳み問題は、(大域的な)拘束条件を持つ。よって、モンテカルロ法が、有効ではない。また、モンテカルロ法は、分子動力学的な計算には向いているが、ここでは、精密な相転移の評価が困難である。よって、我々は、我々の方法が極めて、ユニークかつ信頼性を持つことを論じた。 5,特に、本計算手法は、自由エネルギーを直接評価できる。これによって、一次転移の相転移点を明瞭に示すことができた。 6,通常、正しい取り扱いをすると、むしと、一次転移が二次になる。本研究の場合、大域的な拘束条件がある。おそらく、平均場の取り扱いは、この拘束条件を正しく考慮していないのであろう。逆に言うと、この拘束条件により、一次転移が引き起こされていると言える。
|
Report
(3 results)
Research Products
(7 results)