高磁場中におけるキラル環状ケトンのエナンチオ選択的光分解
Project/Area Number |
15750030
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
甲谷 繁 金沢大学, 自然科学研究科, 助手 (00242529)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 不斉光化学 / 磁場効果 / フェニルシクロアルカノン / ビラジカル / シクロファン / 反応機構 / 反応収量 / 反応中間体 / 円偏光 / 項間交差 / 鏡像体過剰率 |
Research Abstract |
今年度の研究では、大環状2-フェニルシクロアルカノン類の光分解反応における生成物の収量に対する磁場効果を検討した。また、反応生成物の同定を行うことにより、大環状2-フェニルシクロアルカノン類の光分解反応機構の詳細を明らかにすることができた。 12員環の2-フェニルシクロドデカノン(2PCDD)を光分解すると、脱カルボニル化したキラルなフェニルシクロウンデカノンが生成することを明らかにした。また、2PCDDから脱炭酸反応が起こり、さらに溶存酸素と反応してキラルな環状エーテル体が生成することも明らかにした。そして、これら生成物の標準品の合成に成功し、生成量の定量分析を可能とした。しかしながら、これら二つの生成物の収量に対する磁場効果を検討した結果、明確な磁場効果は認められなかった。一方、2PCDDから発生するビラジカル中間体の寿命に対する磁場依存性を調べたところ、磁場印加による寿命の変化が観測された。当初、この結果は注目する二つの生成物の収量に影響を与えるものと予想していた。しかし、上述のように実際には二つの生成物の収量に対する磁場効果は観測されていない。そこで、光照射による二つの生成物の経時変化を追跡したところ、これら二つの生成物はビラジカル中間体から直接生成するのではなく、シクロファンを経由して生成することが明らかとなった。以上の結果から、注目した二つのキラル化合物の生成量に対する磁場効果は、シクロファンを経由する反応が起こることにより予想された結果を得ることができなかったものと結論づけられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)