Project/Area Number |
15750049
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Inorganic chemistry
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
舩橋 靖博 名古屋工業大学, 工学研究科, 助手 (00321604)
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 酵素モデル / 酸素活性化 / 二核銅-酸素錯体 / 四面体型構造 / 構造規制 / (-)-Sparteine / 擬四面体型構造の制御 / bis(μ-O)型二核銅(III)錯体 / μ-η2:η2型peroxo二核銅(II)錯体 / 架橋配位子の効果 / 段階的酸素還元 / 四面体型歪みの制御 / μ-η^2:η^2型peroxo二核銅(II)錯体 / 組織化した配位子骨格 / 活性化エネルギーの制御 / 高原子価金属-酸素活性中間体 / 各種第一遷移金属錯体 |
Research Abstract |
生体内における酸素の運用は、酸素運搬や物質代謝だけでなく、光合成と呼吸鎖における水の酸化還元反応も含まれる。その機能の中心的な役割を担う金属周りの構造に注目すると、これらの中心金属周りの構造は、しばしば四面体型のような歪んだ構造である。このように蛋白質内では通常の低分子金属錯体と異なり、ペプチド骨格や水素結合によって強制的に安定化された特殊な配位構造が中心金属周りに施されている。本研究では、生体内の金属活性中心が行う酸素分子の活性化の人工的な再現を、第1配位圏における構造規制の制御によって行うことを目的とした。ここで簡単なネットワーク構造を骨格に有する配位子(-)-Sparteine(Sp)を用いて、金属酵素活性中心に見られるような捻じれた配位空間を構築することにした。Spの構造異性体のひとつであるα-Spを用いた銅(I)アセトニトリル錯体[Cu^I(α-Sp)(CH_3CN)]SbF_6(1)は、-80℃のジクロロメタン中で酸素と混合すると速やかに反応し、対応する銅(III)ビス-μ-オキソ種を生成した。次に、銅(I)錯体1は、安息香酸イオン(Bz)の様な架橋型配位子を共存させて、-80℃のアセトン中で酸素と混合すると、μ-パーオキソ種である[Cu^<II>_2(α-Sp)(μ-η^2:η^2-O_2)(Bz)]^+(2)を生成することが分かった。このカルボン酸による架橋構造を有するμ-パーオキソ種はさらに高原子価であるビス-μ-オキソ種の前駆体であり、そのカルボン酸の脱離により酸素分子の活性化は段階的に進むという概念が得られた。以上の成果は、二核非ヘム鉄オキシゲナーゼの反応機構に非常に関連が深いので、さらに発展して[Fe^<II>(Sp)(Bz)_2](3)についてもshunt pathを使った検討を行い、第一段階の初歩的な結果も得られた。
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